目指せ!防災マンション/山陽新聞朝刊12・17より - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

目指せ!防災マンション/山陽新聞朝刊12・17より

(下)ハードもソフトも 対策気に進んだ交流

 積極的に防災対策を進めるマンションが岡山市内にあると記者が知ったのは、同市の大元公民館が主催した防災ワークショップがきっかけだった。

 改めて管理組合の前理事長を訪ね、話を聞いた。マンションの場合、ハード面の整備で課題となる住民の合意形成をどう進めたのか。管理組合の理事会で話し合い、次の大規模修繕に備えた積立金の余力を確認しながら計画し、年1回の総会で合意を得てきたという。

 ハード面に加え、ソフト面の対策も欠かせない。災害発生時にマンション内に対策本部を立ち上げて必要な意思決定を行ったり、負傷者を助けに各部屋に立ち入ったりするには、マンションの管理規約の改定が要る。

 昨春、理事会の下部組織として災害対策委員会を発足。委員のなり手を募ったところ、東日本大震災を東京で経験した人など防災に関心の高い住民が集まり、防災マニュアルの作成や管理規約の改定作業を進めることができたという。

 マンション内の住民の近所付き合いは希薄になりがちといわれる。しかし、前理事長は「防災は顔の見える関係づくりのきっかけになる」という。

 前理事長は「防災マンションはハードとソフト、顔の見えるコミュニティ形成の三者が合わさってできる。多くのマンションが取り組めば、地域全体の減災につながる」と話す。

2022年12月20日 | カテゴリー 災害等への備え