管理組合の防災対策(3)/マン菅通信2019・9

目標は「東京五輪を新居で見る」

住民の団結と適切な行政支援により建替え

 地震後の2か月後、熊本市から5棟全棟に「全壊」の罹災証明が発行されました。

 理事会と復興特別委員会は専門家の意見を交え、復興か建替えかを年内に方針を決めるという目標で検討を開始しました。

 そして、地震から8か月後に区分所有者97%の賛成により建替えの方針が承認され、その約半年後の翌年9月には97%の賛成により建替え決議がなされました。

 そして地震2年後には公費解体が完了したのです。

 復興再建される新マンションは総戸数184戸、従来の戸数を倍に増やすことによって、現在の区分所有者の経済負担を軽減しました。それもバリアフリーや防災面にも配慮した、全戸南向きの明るいマンションです。

 「東京五輪を新居で見る」を目標に、2020年夏の竣工を目指して工事が急ピッチで進められています。

 これほど驚異的スピードでかつ計画的に被災マンションの建替えができるようになったのは珍しい事例です。

 管理組合を中心とした住民たちの日頃からの結束力と、管理会社との信頼関係があったからだと思います。

 アドバイザーの1人は「ひとえに住民同士が日頃から培った絆と団結力、そして適切な行政の支援が受けられたから」と述べています。

(著)防災システム研究所 所長 山村 武彦

2019年10月07日 | カテゴリー 災害等への備え