管理組合の防災対策(1)/マン菅通信2019・9

難航した熊本市の被災マンションの住民合意

改正被災マンション法の適用

 全壊建物は公費で解体することができます。地震から1年半、公費解体を熊本市に申請した被災マンションは18棟です。

 そのうち約半数の8棟が所有者の合意形成ができず、解体の見通しが立たなくなっていました。

 被災建物の解体は民法上、所有者全員の同意が必要ですが、政府は熊本地震に被災マンション法を適用しました。

 被災マンション法とは、東日本大震災などを教訓として平成25年6月に一部改正された法律です。

 改正被災マンション法では所有者の5分の4以上の多数決で取り壊し等ができるようにしたものです。

 それにより一定以上の資産価値を失ったマンションは、所有者の8割以上の同意で解体できることになったのです。

公費解体と住民同意

 申請のあった18棟のうち2棟が解体完了、8棟は住民同意の目途が立ちました。

 しかし、4棟は被災マンション法に基づく合意に至らず、他の4棟も家財道具処分に関する同意が得られず調いませんでした。

 全壊した築43年7階建て分譲のAマンションの管理組合の役員さんは、公費解体できなかったことに無念さをにじませながら、「普段の人間関係や結束力の有無が、結局こういう時に影響するんですね」と述懐されていました。

(著)防災システム研究所 所長 山村 武彦

2019年10月03日 | カテゴリー 災害等への備え