震災後半年での臨時総会で、建替え決議へ
熊本市西区の上熊本ハイツ(5階建て3棟、4階建て2棟、築30年、100戸)は、近く臨時総会を開き、5棟全棟建て替えを決議することになった。
同マンションは、熊本城の北側に位置しているが、4月16日の本震で、5階建ての4号棟が5度傾いた。ほかの棟も、基礎杭が損傷していることが判明、全棟建替えの方向になった。
全棟建替えに異論を唱える住民もあるが、敷地が広く、高層棟に建て替えれば、倍近くの住戸が確保できる。
建て替えで、住民の負担が増えることが懸念されるが、デベロッパーによれば、高層棟にして、余剰床を分譲することで、現住民の負担は1500万円程度と見込まれるが、建替え決議がなされ、優良建築物等の整備事業を国交省、熊本市が認定すれば、戸当たり500~600万円程度に抑えられるとしている。
建て替えを支援している熊本マンション管理組合連合会(熊管連)としても今後、コンサルタントとともに市、国へ働き掛けていく。
熊管連によれば、全壊マンション19棟のうち建替え決議が具体化するのは初めてになる。
(岡管連から)
熊管連は岡管連と同様に、全国マンション管理組合連合会(全管連)の一員です。全管連の仲間である各地域の連合会が熊管連をバックアップしています。
同マンションは県住宅供給公社が分譲していたことで、マンション敷地に余裕を持った建物が配置されていたこと、また全棟が5階建て以下ということが幸いし、比較的早く建替え決議がなされた模様です。
民間業者によるマンション分譲の場合、このような短期間での建替え決議への手続きは進まないだろう。