身寄りのない一人暮らしの人は遺言を残す/マンション連合会だより(4・28)

 相続人がいないか、いても遠く離れた甥や姪で、交際がなく自分の死後を託すには迷惑をかけることになると思う場合などは、どうしたらよいのだろうか。

 そこで、私が一番お勧めするのが、信頼できる人に自分の死後を託す方法だ。

 自分が最も信頼する人(他人も可)か、マンション管理組合に事前に同意を得て、死後の手続き一切を委託する方法が最も確実で費用がかからない。「預貯金は○○にΧΧ円、残りの預貯金は全額◊◊に遺贈する。死後の手続き一切と遺品の処分を○○委託する」、さらにマンションの区分所有者であれば、「所有するマンションを管理組合に遺贈する」と書いて、「日付」と「自分が署名」した自筆遺言書を作り「押印をしたうえで」、遺言状と表書きした封筒に入れ必ず糊で封をして冷蔵庫に磁石に貼り付けておく。遺言書を発見した委託を受けた人か管理組合は、封を切らずに遺言書について家庭裁判所の検認を受けてから実行に移ることになる。そうすれば、親族や管理組合に迷惑を掛けずに多くの費用も要せずに死後の心配をせず安心して暮らすことができる。

 マンションの専有部分を管理組合に遺贈することを明記しておけば、管理組合が相続財産管理人を選任しなくともよい。管理組合の手間がおおいに省ける。そのためには、マンション管理組合を総会の4分の3以上の特別決議で法人化しておくことが必要となる。法人化は一時下火となり全国で10数%の割合でしかないが、今後は管理組合が専有部分を取得する機会が増えることを考えると、法人化が必要とされる時代がきている。

 もし、信頼できる人がいなければ、自治体や民間のサービスを利用することになる。どちらにしても、できるだけ費用をかけずに、安心できる方法を生前に用意することが必須となる。

 旭川市内のマンションでは、高齢で一人住まいの入居者を集めて、ファイナンシャルプランナーや司法書士の方を講師に招いて死後に備えて生前にしておくべきことの講習会を開いているマンションもある。対象となる人のほとんどの方が集まり大変好評であった。

公益財団法人 北海道マンション管理組合連合会

副会長 マンション管理士  水島 能裕

2020年7月01日 | カテゴリー 二つの老い