平成30年度マンション総合調査結果から考える/マン菅通信2019・8

マンションの管理不全を防ぎ、安心居住の場に

 総合調査結果から見ると、

 第1に、初期から管理方法の設定が適切でないものがあります。経年してから大きな付けが出ないように初期からの適切な管理方法の設定が必要です。

 第2に、耐震診断・耐震改修の促進体制の強化が必要です。

 第3に、築年数が経つほど管理の質が大きく開きます。ゆえにがんばって管理しているマンションが市場で評価される仕組みが必要です。残念ながらまだ市場で管理の質への関心は低くなっています(注)。「マンションみらいネット」の更なる活用が望まれます。

 第4に、管理不全に陥らないように、築年数の経った自主管理のマンション等への管理支援体制の強化が必要です。市場のメカニズムをうまく活用し、効率的な支援体制整備が望まれます。

 第5に、築年数の経ったマンションで賃貸化が進行しており、賃借人をうまく巻き込んだ管理方法(築40年を超えると役員に賃借人が就任できるマンションが1~2割あります)や、空き家をうまく活用し、管理組合が経営を行う(築年数の経ったマンションで法人化率が高い)など、新たな管理方法の検討も必要です。

 最後に、どのマンションも長期ビジョンを持ち、多世代が共生できるマンションとなる体制を整えることが必要です。

(注)マンション購入時に考慮した項目 該当率%(重複回答)

1 駅からの距離等の交通の利便性         72.6

2 間取り                    63.7

3 日常の買い物環境               52.8

4 医療・福祉・教育などの公共公益施設の立地   39.4

5 眺望                     32.1

6 周辺の自然環境                28.5

7 建物の防犯性能                23.6

8 建物の耐震性能                23.2

9 専有部分の設備                20.6

10 共用部分の維持管理状態           11.5

11 共用施設・サービスの充実度          6.8

12 地域やマンション内のコミュニティ活力     4.0

(著)横浜市立大学国際教養学部教授 齊藤 広子

2019年9月03日 | カテゴリー マンション総合調査