計画修繕に向けた資金をチェック(2)/マン管通信2018・3

給水設備工事と長期修繕計画

 外壁や防水の改修を主体とする大規模修繕工事は、かつては10~12年周期で計画されていたものが、最近では15年周期のものも散見されます。

 材料等の耐用年数が伸びている結果が計画上に反映されてきていると考えられますが、工事の範囲や内容に大きな変動がないのも現状です。

 大規模修繕工事に向けた検討を開始する時期も、概ね長期修繕計画上の工事時期の2~3年前で十分でしょう。

 これに対し、給排水管などの設備については、その工法や材料が大幅に変化し、20年前の一般的な配管材に比べて、その耐用年数や工事価格が大きく変わってきています。

 例えば排水管については、1970年代から80年代末頃まで、樹脂ライニング鋼管を使用するのが一般的でした。

 平成(1990年代)に入ると、ステンレス鋼管や樹脂管などの耐腐食性に優れた配管材が普及し始め、新築マンションのみならず改修工事においても、これらの配管材に取り換える事例が多くなっています。

 最近の計画においては、ステンレス管や樹脂管に「更新」する想定で計画を見直す場合が多く、これに伴い、資金計画に大きな変更が生じる可能性があります。

 また大規模なマンションの多くは、水道事業者から供給される水道水をマンションの敷地内にある受水槽に貯めてから、ポンプなどを用いて各住戸へ配水する「貯水槽方式」を採用してきましたが、水道供給性能の向上に伴い、受水層を廃止して「直結方式」に切り替えることが可能な地域も増えています。

 直結方式に切り替えた場合、受水槽の維持・修繕費用は不要となることから、長期修繕計画も変わってくることになります。

 外壁や防水工事に比べ、給水設備は専有部分とのつながりも深く、場合によっては専有部分の工事も必要となることから、できるだけ早めに(理想としては計画上の工事時期の5年前位から)、総合的な修繕計画の検討と見直しを実施する必要があるでしょう。

(著)一般社団法人 マンションリフォーム技術協会 水白 靖之

2018年3月25日 | カテゴリー 大規模修繕