マンション修繕 談合横行(2)/毎日新聞10・1

工事費をつり上げ

 「管理組合と利益相反する設計コンサルの存在が指摘されている」。国交省は今年1月、マンション管理4団体に異例の通知を出した。設計コンサルは管理組合のサポート役のはずだが、バックマージンを払う施工会社が工事を受注できるよう工作する事例があるとする。施工会社にマージン分以上を工事費に上乗せするため管理組合には大きな負担になる。複数の業界関係者によるとマージン水準は高まっており最大で工事費の20%程度にのぼるという。

 通知の契機となったのは、マンション改修技術向上のため設計コンサルらでつくる「マンションリフォーム技術協会(略称マルタ)の告発。昨年1月、会報で問題を取り上げ「業界全体の信用が失われる」と訴えた。マルタの柴田幸夫会長は「不適切な設計コンサルは、マージンで回収できるため、異常に安い見積もりを管理組合に提示でき、工事監理契約を取りやすい。真面目なコンサルほど仕事が取りににくくなっている」と危機感を募らせる。

 手口も込み入ってきた。国交省は、安い見積額で受注した設計コンサルが実は技術者のいないダミー会社で、実際の建物診断・設計は工事受注予定の施工会社がしていた事例を示す。不動産コンサル会社「さくら事務所」でマンション管理を専門とする土屋輝之さんは「公募しても特定グループの施工会社しか参加しなかったり、参加会社の全ての見積書を受注予定会社が作成したりして、談合は大がかりになっている」と話す。

 1億円の工事に20%のマージンが上乗せされれば、管理組合にとって2000万円の損失だ。大規模修繕工事費用は区分所有者が毎月積み立てる修繕積立金を充てるか、もともとの積立額が低いところも多い。国交省調査(2013年)によると積立金不足を将来不安に挙げる管理組合は28.6%。早い段階で積立金が目減りすれば、将来の工事のメドが立たなくなる。

2017年12月11日 | カテゴリー 大規模修繕