マンション居住者の高齢化に伴う問題を考える(6)/マン管通信2017・12

相続人不存在への対処

 区分所有者が死亡し、その後誰も相続したという連絡がなく、管理費等が滞納されてしまうことがあります。死亡後、滞納が始まり2ヵ月ほどが経過したら、相続人捜索を、司法書士や弁護士に依頼しましょう。本当に独りぼっちだったり、相続人が相続放棄してしまい相続人がいなくなったりした場合は、管理組合は、家庭裁判所に相続財産管理人選任の申し立て(*1)をします。相続財産管理人は、相続人を探し出す一方、このマンションを売却して、各種債務を清算して、裁判所の審判によって報酬を差し引き、なお、余剰があれば国庫に納めて、管理人の仕事を終わらせます(*2)。管理組合が予納金(*1)を裁判所に納めても、この売却代金が多ければ、かなりの金額が管理組合に戻ってくる可能性があります。

 したがって、管理費等の滞納額を積み上げて放置しておかず、さっさと、相続財産管理人を選任して当該マンションを売却してもらい、新しい区分所有者から管理費等を支払ってもらう方が良いでしょう。問題は、この部屋の住人が、自殺した場合には、なかなか買い手が付かないことがあります。しかし、最近このような「訳アリ物件」を購入し(*3)、転売や賃貸する業者も出てきて市場が動いているようですので、諦めないで取り組んでみてください。

(著)横浜マリン法律事務所 弁護士 石川 惠美子

岡管連から

*1:家庭裁判所に相続財産管理人選任の申し立てをする場合、管理組合は予納金として、30万円から

   80万円程度、家庭裁判所に納める必要があります。

*2:相続財産管理人の審判が下りて、相続財産管理事務が終了するまで、概ね1年半から2年程度

   要します。

*3:「訳アリ物件」に関しては、民泊に活用される可能性があります。

2018年2月03日 | カテゴリー 管理組合の悩み