超高層マンションに係わる税制改正/マン管通信2017・6 - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

超高層マンションに係わる税制改正/マン管通信2017・6

見直しの内容

 今回の改正では、一定の税率を掛けて税額を算出するというものを同じ棟の中でも、階が1つ上がると固定資産税が0.26%高くなるように見直すことになりました。この結果、例えば面積が同じでも50階の部屋は1階の部屋より税額が13%高くなることになります。1棟の固定資産税の総額は変わりませんが、高層階の区分所有者にとっては増税、低層階の区分所有者にとっては減税になる見通しです。

見直しの背景と「タワマン節税」

 相続財産を計算する際に、分譲マンションなどは「土地」と「建物」を分けて評価額を計算し、両者の合計を1戸の評価額とします。タワーマンションは1棟の戸数が一般のマンションに比べて多く、土地全体の評価額に対し分母が非常に大きくなるため、1戸当たりの土地の評価額は相対的に小さくなります。

 一方、建物は「固定資産税評価額」をそのまま用いるため、現状では高層階であっても低層階であっても評価額は変わりません。しかしながら、販売価格は低層階に比べ高層階の方がかなり高い場合が多く、ここに目を付けたのが「タワマン節税」です。タワーマンションの高層階を購入した場合、相続財産の評価は、購入額と同額の現金に対して、かなり圧縮することができてしまいます。そこで、相続発生を見越してタワーマンションを購入しておき、相続税の申告後に未使用で売却すれば、多額の相続税を回避して現金を残すことができるというわけです。

いつから適用になるのか

 今回の新しい税制改正の対象は、2017年4月以降に売買契約が始まり2018年以降に引き渡す20階建て以上(高さ60メートル以上)の新築物件からとなっています。2017年中に完成して引き渡しを受けた物件であれば、現行のままの固定資産税評価額が適用されます。2017年以前に完成した中古マンションは2018年以降の引き渡しでも現行のままです。また、現在すでに高層階を購入している方にとっては、既存のタワーマンションの固定資産税を変更するものではありませんのでご安心ください。

                         (著)小川公認会計士事務所 公認会計士 小川 聡

岡管連から

1 新築マンションの販売価格は、一般的には階が1つ上がるごとに、50万円~100万円高くなると

 いわれています。

2 昨年の標準管理規約の改正において、新築時の販売価額(時価)を、組合員の議決権割合に反映させる

 こともできるというコメントが示されています。

2017年7月09日 | カテゴリー 行政情報