改正個人情報保護法への管理組合の対策を考える/マン管通信2017・3 - NPO法人岡山県マンション管理組合連合会

改正個人情報保護法への管理組合の対策を考える/マン管通信2017・3

管理組合としての考え方と対応

 管理組合として、まず、最初になすべきなのは、法改正によって、管理組合が個人情報保護法の規制対象

となったことを、十分に理解することです。

 現在のところ、管理組合に個人情報保護法が適用されることは、ほとんど知られていません。

 個人情報保護法の下では、事業者は、思いのほか複雑で多くの対応が求められるのであり、組合員全員が

その重要性を認識しなければ、適切な対応をなし得ません。

 第2に、現在における個人情報の取得と保管の状況を確かめるべきです。

 これまで管理組合が行ってきた対応には、管理組合ごとに濃淡に差があるため、法の要請と現状とのギャップを確認したうえで、何を行うべきかを、検討することになります。

 第3には、組織としての対応です。

 管理組合の理事は短期間で交代します。

 組合員の個人情報を守るためには片手間に行える業務ではありません。

 個人情報担当役員を決めたり、個人情報保護委員会を設置するなど、管理組合として継続的に法令遵守を

なし得る体制をと整えなければなりません。

 さらに、管理組合がどのような個人情報を取得し、保管管理するのかについての再検討も求められます。

 近年の居住者の高齢化、単身高齢者の増加、災害発生時の安否確認や援護の必要性から、管理組合においても、居住者などの状況を把握しておくことは、安心安全なマンションの暮らしのために有用ですが、他方で、個人情報保護法による個人情報の保管管理の厳格なルールからみると、管理組合が管理する情報は、最小限度に抑えるべきであるとも考えられます。

 是非とも、組合員で議論を深めるべき課題です。

                           (著)山下渡辺法律事務所 弁護士 渡辺 晋

岡管連から

 組合員の個人情報の保管管理は、管理組合の責任において行うべきものです。

 したがって、管理会社は外部の第三者であり、管理組合からの書面による委任契約なしに、組合員の個人情報を管理会社が無断で主体的に収集し、保管管理できませんし、法的にも問題でしょう。

2017年3月21日 | カテゴリー 行政情報