豆知識

調査方法

 調査方法は、外壁、屋根、経路上の共用廊下等において、目視による調査が中心になります。

 目視調査以外にも、外壁がタイル仕上げの場合、タイルの浮きの有無を確認するために打診棒を使用して打診調査を実施することがあります。

 また、外壁の高所を確認するために双眼鏡を使用したり、調査時の状況を記録するためにカメラでの撮影も行います。

 マンションの建築確認申請が平成11年5月以前の場合、構造耐力上主要な部分の調査の一部としてコンクリート圧縮強度試験を実施します。

 この調査は、タイルなどの仕上げがないコンクリート素地面で、マンションの1階・2階の外壁において各1箇所での実施が基本です。1箇所につき9~12回程度の打撃をします。

 打撃したコンクリート素地面に微細な痕が残る可能性があるため、パイプスペース等の目立たない箇所で調査を実施します。

 建物の性能への影響はありません。

 調査の際にどうしてもコンクリート素地面が見つからない場合は、「コンクリート圧縮強度試験を実施できなかった」旨が報告書に記載されます。

 コンクリート壁面を打撃する当該調査を実施する場合は、打撃痕が残ること、打撃音が発生することを管理組合に事前に説明するよう、当協会では当協会登録の調査技術者に対して推奨しています。

調査時間・立会いの必要性

 一般的な調査時間は、1時間程度です。

 屋上の調査やコンクリート圧縮強度試験を実施した場合は、2~3時間程度になる場合もあります。

 管理組合の方は、必ずしも調査に立ち会う必要はありませんが、

 ・集合玄関のオートロックの開錠

 ・屋上に上がるハッチ等の開閉

 ・屋上に手すり等がない場合の立会い

等について、常勤している管理員の方などへの手配が発生することが考えられます。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 永谷 潤一

| 2018年7月07日 | カテゴリー 豆知識 

分譲マンションの『住戸型調査』について

 平成30年4月1日より改正宅地建物取引業法が本格施行され、中古住宅として取引される物件に対して購入予定者が希望した場合などに、「建物状況調査」が行われることになりました。

管理組合の了承

  国土交通省から公表されている『改正宅地建物取引業法に関するQ&A』の中に、『マンションにおいて

 状況調査を実施する場合、共用部分も調査の対象となるため、あらかじめ管理組合の了承を得る必要があり

 ます』とされています。具体的には

  ・マンション内への立入り

  ・調査の実施(立会いを含む。)

  ・関係書類の提供

  ・コンクリート壁面を打撃する調査を実施する場合の詳細

  ・組合員への事前周知

 等です。

  調査の実施に先立ち、売主や宅地建物取引業者を通じて調査実施者から管理組合に申請されます。

マンションの基本的情報・関係書類の提供

  管理組合が調査を了承する際に、併せて、マンションの基本的情報や関連書類の写しを提供することの

 ご協力をお願いします。

  該当する書類を以下に列挙します。

  (a)マンションの基本的情報

  (b)耐震性に関する書類

  (c)長期修繕計画

  (d)図面

  (a)はマンションの所在地、構造種別、階数、延床面積、建築確認済日等の情報です。

  (b)はマンションが新耐震基準に適合しているかどうかを確認するための書類で、確認済証、検査済証

 などが該当します。提供は1種類で構いません。

  (c)はマンションの維持管理について長期修繕計画に基づき適切に行われていることを確認するための

 書類です。当該確認ができた場合は、屋上の調査を省略することができます。

  (d)は調査や調査報告書の作成の際に資料として使用します。

調査項目と調査部位

  調査項目は、主に次の2つです。

  (1)構造耐力上主要な部分(柱・梁など)

  (2)雨水の侵入を防止する部分

    (屋根・外壁・外部に面した建具など)

  上記の(1)および(2)に関する具体的な調査部位は、①外壁、②エントランスから調査対象の

 1住戸までの経路上の各部位(共用廊下等)、③屋上です。

  この他に、調査対象の1住戸の専有部分について、設備機器、設備配管を併せて調査する場合が

 あります。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 永谷 潤一

| 2018年7月05日 | カテゴリー 豆知識 

管理組合として

建物状況調査への対応と管理組合にとってのメリット

 管理組合として建物状況調査への対応に向け、どのような準備が必要でしょうか。

 建物状況調査をすることによって建物の劣化事象等を明らかにすることとなりますので、管理組合(組合員)にとって一見デメリットしか無いように思われるかもしれません。

 しかし、建物状況調査をすることにより、

①調査依頼者(売主もしくは買主)から建物状況調査の情報を得ることで、劣化事象等を知ることができ、

 修繕計画に反映させることができる、

②建物の維持管理に対する組合員の関心が喚起される、といった管理組合としてのメリットが考えられます。

 また、区分所有者にとっては、

③マンションの適正な価値を反映させた取引ができる、といったメリットもあるでしょう。

 法改正の趣旨(良質の中古住宅を安心して取引ができるようにする。)や上記のメリット等を予め理解していただき、管理組合として「円滑な建物状況調査の実施」にご協力をお願いいたします。

 具体的には、調査依頼の承諾(調査依頼者は調査結果報告を管理組合へ提出することとする等、予め承諾のルールを決めておくことも考えられます。)や調査申込時に必要となる図面の開示(設計図書や長期修繕計画書等)、調査時の立会い(鍵の開閉など)等をお願いいたします。

 今後、建物状況調査を上手に活用することで、どのように将来のマンションの資産価値を維持させるかが重要となっていくことでしょう。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 杉田 宜邦

| 2018年6月13日 | カテゴリー 豆知識 

既存住宅売買瑕疵担保保険の概要

既存住宅売買瑕疵担保保険とは

 既存住宅売買瑕疵担保保険とは、既存住宅流通(中古住宅売買)に際して、基本構造部分等の隠れた瑕疵により生じた損害を補償するため、宅建業者または検査事業者からお申込みいただく任意の保険です。

 よって、登録宅建業者や登録検査事業者が保険契約者となり、住宅取得者は「保険が付与された住宅を取得する」ということになります。

 この既存住宅売買瑕疵保険には、買取り再販タイプと個人間売買タイプがあります。

 買取り再販タイプは、宅建業法上の売主責任に対応したもので、住宅瑕疵担保責任保険法人に登録をした宅建業者が被保険者(保険契約者)となります。

 個人間タイプは、売主が買主に対する瑕疵担保責任をすべて負うことが困難であるため、登録検査事業者が売主に代わって買主への保証責任を負う場合、瑕疵保険法人に登録をした検査事業者が被保険者(保険契約者)となり、保険契約を締結します。

 住宅の引渡し後に「構造耐力上主要な部分」または「雨水の侵入を防止する部分」等に瑕疵が発見された場合、①修繕費 ②調査費用 ③仮住まい・転居費用等が保険金として支払われます。

 既存住宅売買瑕疵保険を活用することによって、住宅ローン減税等の税制特例など、買主にとってメリットとなるケースもあります。

 今後建物状況調査と同様に既存住宅売買瑕疵保険の検査が多く実施されることが予想されます。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 杉田 宜邦

| 2018年6月11日 | カテゴリー 豆知識 

はじめに

 平成30年4月1日より改正宅地建物取引業法が本格施行され、中古住宅として取引される物件に対して購入予定者が希望をした場合などに「建物状況調査」が行われることになりました。

 マンションの場合、共用部分においても調査を実施することから、今月と来月の2回に渡り、改正宅地建物取引業法の概要、建物状況調査の内容等についてレポートします。

1 改正宅地建物取引業法が及ぼすマンション管理組合への影響

 (1)改正宅地建物取引業法の概要

    今回の法改正により、以下の3点が宅建業者に義務付けされます。

    ①売主または買主との媒介契約締結時に「建物状況調査」を実施する検査事業者のあっせんの可否

     を示すこと。

    ②過去1年以内に「建物状況調査」が行われた既存住宅を取引される際、調査結果の概要を買主へ

     重要事項説明時に説明をすること。

    ③売買契約締結時に建物状況調査の結果の概要について、売主・買主双方が内容を確認し、売主及び

     買主に契約書面の一部として交付すること。

 (2)建物状況調査とは

    「建物状況調査」は、「既存住宅状況調査技術者」が「既存住宅状況調査方法基準」に基づいて実施

   する調査をいいます。

    「既存住宅状況調査技術者」とは、一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会を始めとする国土交通省

   から講習の実施機関の登録を受けた団体の実施する講習を修了した者が、講習を修了した団体へ「既存

   住宅状況調査技術者」として登録されます。

    建物状況調査とは、原則として目視・計測を中心とした非破壊による調査としています。

    共同住宅の調査の場合、専有部分だけではなく外壁・屋根(屋上)・廊下・エントランス等の共用部

   分に関する調査も行いますので調査依頼者が管理組合の承諾を得るよう指導しています。

    建物状況調査は、対象住宅に生じている劣化事象等の有無を確認することを目的としています。

    したがって、現行の建築基準法関係法令への適合性の確認や、耐震性や省エネ性能等の住宅の性能の

   程度を判定すること、住宅の構造耐力上主要な部分等への隠れた瑕疵の有無の判定や瑕疵がないことを

   保証する調査ではありません。

(著)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 事務局次長 杉田 宜邦

岡管連から

 「既存住宅状況調査」は、 「インスペクション」と言い換えられる場合があります。

| 2018年6月09日 | カテゴリー 豆知識 

本判決を受けての管理組合の対応

 本判決は、標準管理規約ベースの規約において、あくまでも理事長の職を解くことを理事会決議で行うことが可能と判断したものであり、役員としての地位そのものをはく奪することまでも理事会決議で認めたものではありません。

 役員としての地位を失わせるためには、標準管理規約ベースでは総会決議が必要になります。

 本管理組合も、理事解任は総会決議によっています。

 したがって、仮に総会の招集にも応じない管理者である理事長につき、あわせて役員としての地位も失わせることとするのであれば、まずは理事会決議で理事長の職を解いて新たな理事長を選任し、その理事長が、規約で定めた手続きに従い総会を招集して、当該総会において役員解任決議を経るという手順を踏むことに留意しましょう。

 以上のような状況にある管理組合では、理事一人一人が、区分所有者から付託を受ける立場で管理組合運営に向き合い、理事会として適切に対応していくことが求められることになりましょう。

佐藤貴美法律事務所 弁護士 佐藤 貴美

| 2018年3月21日 | カテゴリー 豆知識 

最高裁判決:マンション管理組合の理事長の職の解任

 平成29年12月18日、理事長を区分所有法上の管理者とし、その選任は総会で選任された理事の互選によるものとする一方で、理事長の解任に関し特段の規定を設けていない管理規約を有するマンション管理組合において、理事長の解任を理事会決議で行うことができるかについて、初めての最高裁判断が示されました。

 理事長が区分所有者の利益を顧みず専横的に振る舞い、他の理事や区分所有者などからの辞任要請などにも耳を貸さないようなケースでは、マンション全体の利益を守るため、理事長の解任が要請されることがあります。

 今回の最高裁判決で、この問題につき決着が図られたことになります。

 理事長の解任に関して特段の規定を設けていないのは、国土交通省が示しているマンション標準管理規約でも同様です。

 したがって、今回の最高裁の判断は、標準管理規約を元に管理規約を制定している多くの管理組合にも、理事長の解任の手続きに関し大きな影響を与えるものとなります。

佐藤貴美法律事務所 弁護士 佐藤 貴美

| 2018年3月20日 | カテゴリー 豆知識 

2月10日(土)13時30分より、倉敷市立美術館において、災害弱者と人権というタイトルで

「生活再建における知識の備え」について、岡本先生から講演がありました。

岡本先生は東京の弁護士であり、マンション管理士及びFP等の資格をお持ちであります。

マンションの被災、災害後の生活相談、支援などで全国各地で講演を行っています。

熊本地震でのマンション被災への相談対応にも当たられました。

 

| 2018年2月13日 | カテゴリー 豆知識 

続マンション漂流(下)

 快適なマンション生活を考えるうえで、管理会社と管理組合の良好な関係は欠かせない。

 管理会社では近年、雪かきや夏祭りの支援、高齢者の見守りといった管理委託契約書に明記されていない業務が増えているという。

 こうした課題に対応するため、大手管理会社など363社が加盟する「マンション管理業協会」は10月、管理業務の項目を細かく分類した共通見積書式を作った。

 サービス内容を明確にすることで健全な競争を促し、管理会社を選ぶ際の参考にしてもらおうという狙いだ。

 先月、大阪市中央区で開かれた同協会の研修会には若手からベテランまで約100人が参加。

 講師は「管理会社への要求のレベルは高くなり、見る目も厳しくなっている」と呼びかけた。

 協会の担当者は「住民のニーズが多様化する中、コミュニケーションがこれまで以上に重要。

 共通の書式を足がかりに理解を深めたい」と話す。

 年月とともに老朽化が避けられないマンションの質をいかに維持するか。

 管理組合と管理会社双方の模索が続く。

| 2018年1月21日 | カテゴリー 豆知識 

続マンション漂流(下)

 マンション管理の話題を取り上げるインターネットのブログに、管理組合の役員になるという住民から相談メールが届いた。

 ブログの運営者は関西のマンション管理会社に勤める30代の男性。

 役員の心構えを尋ねる住民にこう応じた。「みんなの財産や暮らしを預かっている自覚を持って」

 男性は今、14棟を担当している。中には管理に消極的だと感じるマンションもある。

 例えば、草が伸び放題で中庭が荒れた物件。購入希望者が下見に来たら、どう思うだろう。

 管理組合にいくら対応を促しても、理事らは「次の役員のときに」と問題を先送りするばかり。

 管理組合が改善に乗り出したのは5年後だった。

 「管理組合と管理会社がお互いに惰性で動くような関係になるとマンションの質は下がり続ける。

 管理組合は私たちをうまく利用してほしい」と話す。

(注)下線は、こちら側で記載。

| 2018年1月19日 | カテゴリー 豆知識 

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