コミュニティ

スマホで安否確認 被害情報の共有も

 大規模などの災害時、自分が暮らすマンションの備えは十分ですか?

 携帯電話やスマートフォンを活用し、安否確認などを行う防災対策のほか、別々のマンションの住民が情報交換することで、お互いの防災力を高めている。

「質」が重要

 マンション防災を担う住民組織には、管理組合や地域の自治会がある。

 不動産コンサルティング会社「さくら事務所」の土屋輝之さんは、その具体的な業務として、

 ・水や食料の備蓄

 ・防災訓練の実施

 ・住民の安否確認

 などを挙げる。

 また、築年数にもよるが、マンションは木造住宅と比べて耐震性が高いことが多い。

 震災後も住民が自宅で暮らす『在宅避難』となるケースもあり、十分な備えが大切だ。

 国土交通省の「マンション総合調査」(2013年度)では、管理組合の大規模災害への対応を尋ねている。

 「災害時の対応マニュアルを作成」が18.6%、「定期的に防災訓練を実施」が37.7%だった。

 土屋さんは対応の「質」が重要だと指摘する。

 「マニュアルも自治体がつくったものではあまり意味がない。マンションの規模や住民の年齢構成に応じて整備・更新し、備えていくことが重要」と話す。

(岡管連から)

 岡山の場合は、果たしてどうであろうか?

 災害等が少ないため、無関心が多い気質の岡山で、マンション住民同士のつながり、コミュニティの形成は・・・?

 管理会社任せの多いマンションで、いざ災害が生じた場合、『自助・互助・共助』の要となる『コミュニティ』がなければ、『マンションの防災力』は、機能しないでしょう。

 岡管連では、11月26(土)14時から開催されます『マンション生活支援セミナーin岡山』において、管理組合同士のフリートーキングによる『意見交換』を予定しています。

| 2016年11月09日 | カテゴリー コミュニティ 

 【低い意識 結成率全国41位】

起きないだろう

 自治会、町内会などの単位で住民が自発的につくる「自主防災組織」。

 地域の防災力の鍵を握る存在だが、15年4月現在の県内の組織率は66.7%と全国平均(81.0%)を大幅に下回り、全国で41位、中四国では島根と並んで最下位だ。

 他県より動きが低調な理由について、県内の自治体関係者は「過去に災害が少なく、『起きないだろう』との意識が根強いため」と口をそろえる。

自主防災組織

 災害時には行政と連携し初期消火、避難誘導、炊き出しなどに当たる。

 阪神大震災で多くの人が家族や近隣住民に救助されたことから注目され、改正災害対策基本法(2013年6月施行)では、その育成が行政の責務の一つとして初めて明記された。

 岡山県の15年の組織率は、東日本大震災前年の10年(50.8%)から20ポイント近くアップしたが、全国平均には及んでいない。

「公助」の限界

 行政による「公助」の限界が指摘される中、自主防災組織の結成をいかに進め、実効性を確保していくかが問われる。

                                  (注)下線は、こちら側で記載。

(岡管連から)

マンションの住民組織は?

 多数の世帯が暮らすマンションにおいても、『マンションの住民組織』が必要であろう。

 ところが、一つの建物に不特定多数が暮らすマンションの場合、外部から閉ざされ、かつコミュニティーなど人間関係が希薄な環境では、住民組織が生まれにくいといっても過言ではない。

 特に、岡山県人は上記のような意識があり、その結果、マンション内の『互助』、『共助』という取り組みが生まれにくい土壌があるだろう。

 このことは、マンション管理への『無関心な面』にも表れている。

 また、マンションの高齢化に伴い、『住民同士のつながり』が欠かせません。

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        *『新老人の会』岡山支部 10周年記念フォーラム にて

| 2016年4月15日 | カテゴリー コミュニティ 

【老いる組織/高齢化 担い手がいない】

 自治会・町内会の役員の仕事は、回覧板の作成や自治体との連絡役、名簿の作成・管理に会員勧誘活動と、多岐にわたります。

 活動は平日の日中が多く、退職世代が担うことになります。

 65歳定年が増えて役員の高齢化が進み、最近では70代、80歳以上の会長も珍しくありません。

 若い世代を中心にマンション入居者が増えたことも、負担増に拍車をかけています。

 オートロックのマンションは回覧板を回したり、勧誘活動をしたりすることが難しいからです。

 自治会員が高齢者に偏り、活動も高齢者向きのものが多くなり、一層若者が参加しにくくなるという悪循環も見受けられます。

 横浜市が2012年に、市内の自治会・町内会向けに実施したアンケートでは、76.8%の自治会が運営上の課題として『役員のなり手が少ない』を挙げ、『会員の高齢化』も58.8%に上りました。

 市町村合併や予算の削減で行政サービスが細る中、高齢者の見守りや子育て支援など、自治会への期待は高まっていますが、実態は難しいようです。

 5年に1度の国勢調査の調査員の多くは自治会・町内会の推薦で決まっています。

 行政が自治会・町内会を頼りにしている事務はほかにも多くあります。

 例えば、市区町村が自治会に広報誌の配布を委託しています。

 市区町村から補助金を受けて防犯パトロールをしたり、民生委員や選挙の投票立会人選任に協力したりすることも多いようです。

                                  (注)下線は、こちら側で記載。

(岡管連から)

 マンションの管理組合も自治的機能を有しており、特に災害時等の当初は、『共助』としての役割が期待されています。

 管理組合の運営面では、上記の自治会・町内会の運営上の課題として取り上げられていたように、岡管連が取り組んでいる『マンションの二つの老い』の課題の一つでもある『組合員の高齢化と役員のなり手不足』で、その機能がうまく回らない恐れがあります。

 将来的には管理組合に対して、何らかの社会的支援が必要になると思われます。

 現在、岡管連では管理組合様に対して、『マンションアドバイザー派遣事業』を行っています。この機会をご利用していただき、管理組合様へのご支援・ご相談等ができればと思っています。

| 2015年11月27日 | カテゴリー コミュニティ 

【自治会は今】

 自治会・町内会とは、ある区域に住む人たちが、親睦や住民自治のためにつくる団体です。

 つくる、つくらないは住民の自由で、加入するのも強制ではありません。

 「自治会」「町内会」の他に、「区」「区会」「部落会」などの呼び方があり、構成単位はマンション1棟から小学校区よりも広いものまでさまざまです。

 総務省によると、団体数は全国で約30万にのぼります。

 マンションの管理組合と混同されることがありますが、管理組合は建物や共用スペースを維持・管理することが目的で、原則的に所有者全員が加入します。

 管理組合によっては自治会の役割を担っているケースもあります。

 でも、自治会はあくまでも任意加入のため、管理組合費のように自治会費の支払いを強制することはできません。

(岡管連から)

 管理組合の組合員は、区分所有法の規定により、団体(管理組合)の構成員になり、建物・設備・敷地等共有財産を維持管理するために、相応の負担が求められます。

 マンションは居住用財産であるとともに、複数世帯が暮らすという共同生活の場でもあり、自治的な要素を含んでいます。

 また、総会という意思決定においては、日頃のコミュニティーがうまくいってるところは、管理組合の運営にも自治的機能が寄与しているところが多いようです。

| 2015年11月25日 | カテゴリー コミュニティ 

【人の高齢化を考える パート2】

 コミュニティの重要性が問われる中で、『コミュニティ活動は管理組合ではなく町内会・自治会の役割であるとの認識のもとに、標準管理規約の条項から削除する動きがあります。』

 とんでもない認識で、「コミュニティ活動」の定義等をはき違えています。

 マンションは、自治体(社会)の縮図としての課題がそのまま存在します。

 管理組合の活動領域として、人にかかわる課題(災害時の対応、独居老人、認知症、介護、役員のなり手不足など)は、組合員・居住者が『コミュニティの大切さ』を認識し、活動を進めていくまさに「コミュニティ活動」です。

 前回、「コミュニティ」は高齢化の問題に特化するものではないと述べましたが、『終の棲家』と考えている区分所有者・居住者が多くみえる管理組合は、今からでも遅くはありません。

 マンションライフを豊かにすることをみんなで取り組むことで一体感を育て、『楽しい』管理組合活動を通じて「コミュニティ」を育てることに、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

                                  (注)下線は、こちら側で記載。

(岡管連から)

 8月~9月ごろにかけて、標準管理規約の見直し案が国土交通省から出される予定です。

 それを受けて、パブリックコメントを受け付ける予定です。

 言われるように、「コミュニティ活動」の条項を削除するかどうか、議題に上っています。

| 2015年7月13日 | カテゴリー コミュニティ 

【人の高齢化を考える パート1】

 『コミュニティ』という言葉をよく見聞きします。そして、その大切さが論じられています。

 高齢化の問題に特化するテーマではありませんが、「コミュニティの形成」の善し悪さは、様々な「コミュニティ活動」をすすめるにあたっての要因となっています。

 今回は、人の高齢化を考えるうえで、「コミュニティ」の定義について考えていきたいと思います。

 人と人の1対1の『つながり』の集合体が『コミュニティ』です。そして、二つの意味があります。

 ① 地域を主体とする集合体:一定の地域社会に居住し、共属感情をもつ人々のあつまり

               →物理的な地域を主体とする。

 ② 目的等を共有する集合体:目的や考え方、興味、価値観等が同じ人たちのあつまり

               →必ずしも地域にとらわれない。

 マンションにおける「コミュニティ」は、①と②を併せ持っています。

 同じマンションという「地域」を主体としたコミュニティ(「地域」=「町内会」ではありません。)と、マンションを維持管理、運営していくという「目的」を共有するコミュニティ(「マンション管理組合」)があります。

 『コミュニティの大切さ』は、様々な活動を進めていく上で当然のことです。

 では、「コミュニティ活動」について、その活動の目的、内容、対象、活動の責任領域とともに、主体となる組織と性格などを正しく理解することが重要です。

 なお、「コミュニティ活動」によっては、目的や対象によって主体となる組織が1組織に限定されるものではありません。

 そのことと、組織の性格と役割は別の問題です。

 ・「町内会・自治会」⇒居住する地域の住民組織で加入するしないは自由。

 ・「マンション管理組合⇒区分所有者全員で構成し、加入しない選択はできない。

                                  (注)下線は、こちら側で記載。

(岡管連から)

 区分所有者全員がマンション管理組合の構成員として区分所有法で規定されていて、強制加入です。

 それは区分所有者には二つの権利を有していて、区分所有権というコンクリート(スラブ)に囲まれた空間部分(専有部分)の権利と、当該マンションが存立するための建物、設備及び敷地等(共用部分等)に関し共有持分権があるからです。

 したがって、共用部分等に関し、区分所有者全員による意思決定が必要になってくるからです。

| 2015年7月11日 | カテゴリー コミュニティ 

【集まって住むメリットを生かす】

 マンションに集まって住むことに潜在的にあるメリットを生かし、その効果を顕在化させる前向きな取り組みが重要になってくると思います。例えば、次のようなことが考えられます。

 マンションのメリットを生かすには、

 ・物品やサービスを共同購入することにより、生活コストを下げる。

 ・屋根に太陽光発電を設置し、共用部分の電気代の節約やCO2削減にも寄与する。

 ・マンション内で親世帯と子世帯が別々の住戸に近居し、お互いに助け合う。

 ・さらには、アクティブシニアが中心となって後期後継者や子育ての支援をする。

 ・(マンション自体が防災・避難拠点として社会に寄与する。)        など

 これらは、単に生活コストの削減だけではなく、新たな生きがいの発見にもつながる可能性を秘めていると思います。

 このような取り組みが、全国の個々にマンションにおいて様々に展開され、マンションのコミュニティが活性化していけば、それは大変素晴らしいことだと思いまし、そのことを通じて、分譲マンションが真に持続可能な居住形態として確立されていくのではないかと思います。

                      (著)住宅金融支援機構まちづくり推進部長 元木 周二

                      (注)カッコ内は、こちら側で記載。

(岡管連から)

 上記の例のように、『マンションの強み』を生かし、分譲マンションを持続可能な居住形態として確立するためには、分譲マンションを『終の棲家』として、再生していく必要があるでしょう。

| 2015年6月03日 | カテゴリー コミュニティ 

【分譲マンションでは互助機能を生かし

セーフティネットの構築を】

 高齢単身者の増加に対して、住宅分野では長く安心して住み続けられる環境を整備することが必要になる。バリアフリー化などハード面での対策も必須であるが、それ以上に重要なのはソフト面での取り組みである。

 内閣府の調査によれば、『病気の時などに頼れる人がいない』と回答した割合は高齢者全体では2%に過ぎないが、男性単身者では20%にものぼる。孤立化のリスクが高い高齢者に対しては、周囲からの積極的な見守りや支援体制が一層求められる。

 集合住宅(持家・借家)の場合、集住という形態を活かすことで、高齢者の見守り支援や安否確認、引きこもり防止、災害時の救護など幾重ものセーフティネットを張ることができる。これらを実現するためには、分譲マンションでは第一に居住者同士の互助が不可欠となる。災害時などに要援護者となりやすい高齢者の安否確認や避難支援を迅速に行うためには、日頃からのコミュニティ運営が重要だが、そのためにも管理組合・自治会の組織や役割をどのように設定するかなど、個々のマンションが状況に応じた体制を構築することがポイントになる。

 加えて、管理会社やデベロッパーとしても、居住者の高齢化が顕在化し、孤立死や災害時の被害拡大などの深刻な事態を招くのを防ぐために、早くから管理組合活動を支援する取り組みや、自治会機能の維持・向上に資する対策を打っておくことが求められる。

(2035年の65歳以上の単身世帯の動向/資料データーから)

     2010年を100とした指数   65歳以上の単身世帯数

・岡山県     約134.5        約106,600世帯

・広島県     約141          約186,600世帯

・香川県     約134           約60,000世帯

・全国平均     153

           (著)株式会社長谷工総合研究所 上席主任研究員 上村 直子

                   (注)カッコ書き及び下線は、こちら側で記載

 

(岡管連から)

 マンションの高齢化は、岡管連がテーマとして取り上げています『マンションの二つの老い』の問題であり、居住部分の『ハード面』と生活部分の『ソフト面』に顕著に現れてきます。さらにマンションの場合、居住部分については、『共用部分』と『専有部分』とに分かれます。

 マンションの高齢区分所有者が施設等に入居した場合、マンションの管理(賃貸を含む)・処分という問題も出てきます。そのような場合、『成年後見制度の利用』なども考慮していく必要が出てきます。

| 2015年1月21日 | カテゴリー コミュニティ 

【公助の手 孤独死防げ】

 著しい単身高齢化で、人口減社会の未来像ともいえる公営住宅。支援を必要とする人たちにとっての『住まいのセーフティーネット』として重要性が高まる一方、孤独死が相次いでいる。地域の力で対処できるのか。行政の対策強化が急務だと訴える専門家もいる。

 『こんにちは。訪問調査でお伺いしたのですが』

 67棟ある5階建てを訪ね歩き、家族構成、近所づきあい、持病・・・。A4判で4枚の質問を聞き取る。認知症や引きこもりなどの兆候がないかも記入する。3年間で全戸訪問を終える予定という。

 しかし、11月末時点で673世帯を調査した一方、拒否が154世帯、3度以上尋ねても留守が781世帯。『周りとのつながりを拒み、訪問を拒む人ほど、孤独死への懸念が高まる』とケアプラザの所長は指摘する。

【共助の柱 しぼむ自治会】

 自治を担う住民にとっても、悩みは深い。

 名古屋市営住宅では20年計画で建て替え工事が進む一方で、『自治会活動は縮小の方向』と自治会長は言う。

 市によると、高齢者の単身世帯と、高齢夫婦の世帯が43%を占める。棟ごとの役員の定数は、高齢者が多くて選出できなくなり、11人から7人に減らした。それでも新たな成り手はなかなか見つからない。

 14棟に約500世帯が暮らす長崎県のある公営住宅。棟ごとの自治会脱会が相次いでいる。『高齢化が進み、棟から役員を出せない』と、8棟が住民の話し合いで脱会を決めた。

 自治会長は『災害時を考えると、地域は自分たちで守りたいが、手の打ちようがない』とこぼす。

 自治会活動という『共助』は細るなか、単身高齢化に伴い、今後も支援が必要な人は増えていく。

 

(岡管連から)

 今のマンションは、セキュリティ強化が図られ、行政側からの支援が届きにくくなっています。さらに区分所有者の高齢化に伴い、管理組合の役員の成り手が今後問題になってくると予想されます。

 また、管理組合によっては、地域の町内会から脱退し、周り(社会)との関係を自ら閉ざしているというところもあります。

 マンションの『二つの老い』という問題を放置して時が過ぎていくと、いずれマンション(住居/生活の場)の存立自体に危惧が生じるのではないか・・・『マンションのスラム化』がクローズアップされるのではないだろうか。

| 2015年1月11日 | カテゴリー コミュニティ 

【都道府県・指定市 孤独死 年1300人超】

 昨年(13年)、朝日新聞が47都道府県と20政令指定市を対象に実地した調査で、全国の公営住宅で、一人暮らしの高齢者が全世帯の4分の1を占めることがわかった。著しい『単身高齢化』を背景に孤独死も多発しており、昨年1年間では計1320人に上っていた。

 公営住宅は1980年に高齢者らの単身入居が認められ、お年寄りの『住まいのセーフティーネット』としての役割が強まっている。

 割合が高かったのは、岡山市(37%)、神戸市(35%)、横浜市(32%)など。

 孤独死は、少なくとも36都道府県と19市で起きていた。東京都や大阪府、名古屋市など戸数が多い都市部で多い。

―岡山の公営住宅の高齢単身世帯の割合と昨年度の孤独死件数―

          入居世帯数  65歳以上の単身世帯の割合 孤独死の件数

     ・岡山県 5709世帯     31.6%        14人

     ・岡山市 4702世帯     36.7%         6人

 

(岡管連から)

 孤独死の問題は公営住宅に限ったわけではなく、マンションでも起きているのも事実です。マンションで孤独死が発見された場合、それが表にあまり出ない実態があります。

 それはなぜかと言いますと、マンションで孤独死が起きると、マンションの資産価値が下がるということもあり、またその事実を住民に伝えると不安をあおる、風評被害があるということのようです。

 孤独死は、岡管連が取り上げている『二つの老い』にもつながっています。マンションの孤独死には、その裏腹として、『コミュニティ形成のなさ』が挙げらることがあります。

 この回を含め2回シリーズでお伝えいたします。

| 2015年1月09日 | カテゴリー コミュニティ