耐震改修等

背景・必要性

 最近の大規模火災を踏まえ、老朽化した木造建築物の建替え等による市街地の安全性の向上や、建築物の適切な維持管理による建築物の安全性の確保を円滑に進めることなどが課題となっています。

 また、空き家が増加傾向にある中で、住宅をそれ以外の用途に変更して活用することが求められており、建築行政においても、安全性の確保と既存建築ストックの有効活用を両立しつつ、建築規制を合理化していく必要があります。

法律の概要(分譲マンション関連)

安全性の確保

・既存不適格建築物の所有者等に対する特定行政庁による指導及び助言の創設

岡管連から

 分譲マンションのうち旧耐震基準の建物については、建築基準法の改正・施行により、自治体による行政指導等が始まるものと思われます。

国土交通省サイト

 http://www.mlit.go.jp/common/001223939.pdf

 

| 2018年7月01日 | カテゴリー 耐震改修等 

復旧活動スピードと管理組合の特徴

 熊本県マンション管理組合連合会では、今回の被災後に、会員、非会員の被災マンションがどのように復旧活動を行ってきたかを分析しました。その結果の傾向を、次に示します。

① 最も復旧スピードが速い管理組合の特徴

 ・自主的な管理を行い組合運営が活性化されている(自主管理など)。

 ・管理組合が管理に関する知識を豊富に有し、管理会社と対等な関係で管理を進めている。

 ・毎月理事会を開催している。

 ・日頃から住民とのコミュニケーションを活性化する仕組みを有している(情報発信、祭り、一斉清掃、

  その他コミュニティ活動)。

 ・毎年、防災訓練を実施している。

 ・マンション管理につき専門家のサポートを受けている。

② 最も復旧スピードが遅い管理組合の特徴

 ・管理会社に任せきりにしている。

 ・理事会はほとんど開催されていない。

 ・自分のマンションのことを把握できていない、管理運営について学習していない。

 ・理事は毎年交代し、理事会は知識も責任感も希薄である。

 ・管理組合からの情報発信が少ない。

 以上から、震災対応がうまくいっている管理組合の特徴は「日頃のコミュニティ活動が大切!」ということになります。そこで、管理組合のコミュニティのためには、次のポイントが大切であり、震災を経験した者としては中でもコミュニティが最も大切であると言えます。

(1)理事会活動の活性化

(2)住民のコミュニティの活性化

(3)マンション管理に関する専門家の活用

 熊本地震を経験したことから学び教訓を受けたことをまとめましたが、これからどこかで起こると予想される震災に対して、少しでも管理組合の方々のお役に立てることができたら幸いです。

                     (著)熊本県マンション管理組合連合会 副会長 稲田 雅嘉

| 2017年4月19日 | カテゴリー 耐震改修等 

国交省、基準見直さない方針

 熊本地震の建物被害を分析し、耐震基準の妥当性を検討する国の専門家委員会は12日、2000年に強化された現在の新耐震基準であれば、今回の地震でも「倒壊の防止に有効だった」と結論づけた。

 これにより、国土交通省は基準の見直しを見送る方針だ。

 一方、規定強化前の1981年6月~00年5月に建てられた木造建物862棟では、75棟(8.7%)は倒壊。

 柱の固定部分が確認できた69棟全てで、00年に強化された規定は満たしていなかった。

 国交省幹部は「規定を満たせば倒壊を免れた可能性が高い」と指摘する。

 81年5月以前に旧耐震基準のもとで建てられた770棟では、215棟(27.9%)が倒壊。

 委員会は、国交省に耐震化を進めるよう求めた。

 また耐震基準は建物が倒壊しない「最低限の基準」だとした。

                                  (注)下線は、こちら側で記載。

(岡管連から)

 上記の事例は木造建物だが、2000年基準に適合していないマンションの場合、以下の通り、相当の被害があったことがあまり知られていない。

 特に、1階の開口部分(駐車場、ピロティ等)があるマンションでは、1階部分がつぶれたり、2階の床部分が波を打っていたりしていた。

  2016505熊本地震(全管連1)  2016505熊本地震(全管連2)

| 2016年9月21日 | カテゴリー 耐震改修等 

熊本 壁少なく、駐車場など被害

 熊本地震では、鉄筋コンクリート造りのビル(マンション)で1階がつぶれる被害が相次いだ。1階部分に駐車場がある「ピロティ形式」や、店舗などで壁が抜けている建物がほとんどだ。阪神大震災で被害があったことから設計の基準が強化されたが、それ以前の古いビル(マンション)が目立つという。

 上の住居部分が地面すれすれまで落ち込み、鉄筋コンクリート製の柱が、ぐしゃりとつぶれていた。

 マンションを販売した会社の元社長によると、建物は1974年に完成。「市中心部でも、これからは車が欠かせない」と考え、1階に駐車場を設けたという。

 現地を調査した松田泰治・熊本大教授(地震工学)は「ピロティ形式の耐震性が弱いのは阪神大震災の教訓だが、今回も繰り返してしまった」と指摘する。

 重さを支える壁が少ないため、建物が大きく揺れると柱に力がかかってつぶれやすい。阪神大震災では、81年にできた新耐震基準の建物でもピロティの被害がでた。これを受け95年に基準が強化され、太い柱や鉄筋の増量が求められた。

 柱を太く補強し、筋交いを入れるなどの耐震化工事をすれば被害は減るが、民間の建物はコストや住民の合意形成の問題があり遅れているという。

 幹線道路沿いのビル(マンション)が倒壊すれば、救援の妨げになる可能性もある。東京大の田尻清太郎准教授(耐震構造)は「避難や救助に影響する幹線道路沿いはより強力に進める必要がある」と話す。

                      (注)カッコ内のマンション及び下線は、こちら側で記載。

(岡管連から)

 新耐震基準は、1981年6月1日から適用されています。

 但し、ピロティ部分のある建物などはさらに基準が強化され、その基準が2000年6月1日から施行されています。

 この強化耐震基準はあまり周知されていないため、強化耐震基準前のピロティ部分のある建物などについて、今後、問題になってくるでしょう。

       NPO法人 全国マンション管理組合連合会(全管連) ホームページより

   2016505熊本地震(全管連1) 2016505熊本地震(全管連2)

| 2016年5月15日 | カテゴリー 耐震改修等 

【県が国土強靭化計画決定】

 県は8日、南海トラフ地震などの大規模災害に備える国土強靭化地域計画を正式決定した。

 行政機能、住宅・都市、保健医療・福祉など10分野の施設について計32の重点項目を掲げ、数値目標も盛り込んだ。

 ハード、ソフト両面で被害を最小限に抑える対策を進める。

 2013年12月に施工された国土強靭化法に基づき策定。

 庁内の政策推進会議で了承した。

 ハード面では20年度までに住宅耐震化率の目標を74%(13年度)から95%、災害時の応急活動の拠点となる市町村庁舎の耐震化率を55%(同)から95%に引き上げる目標を設定した。

 ソフト面では、住民が自らの命を自ら守る意識を高めるための「リスクコミュニケーション」の強化も掲げ、自主防災組織の組織率を14年度の64.4%から20年度に82%に上げることや学校での実践的な避難訓練・防災教育、災害ボランティアの養成なども進めるとした。

                                 (注)下線は、こちら側で記載。

(岡管連から)

 マンションのハード面では、マンションストック戸数が610万戸を超え、そのうち旧耐震基準のマンションが106万戸あり、築35年以上のマンションです。

 マンションのソフト面では、マンション住民が1,500万人を超え、その住民の関心が薄く、さらにつながりが薄いのが実態です。

 マンションのハード面及びソフト面に、『二つの老い』が忍び寄っています。

| 2016年3月05日 | カテゴリー 耐震改修等 

【『逃げない』が原則】

―久田嘉章・工学院大学教授―

 

 大地震では火事が起きなければ、マンションからすぐ逃げる必要はない。多くのマンションでは、壁に亀裂が入っても、床が傾いたり、柱の中の鉄筋が曲がったりしなければ、倒壊するようなことはない。人が集まる都市部では自宅待機が原則だ。

 住民の無事を自分たちで把握することも忘れてはいけない。お年寄りや障害者とどう連絡をとるか。集合場所や連絡方法を事前に管理組合で確認しておく必要がある。

 災害時に必要なのは人と人とのつながり。入居者や地域住民の人間関係が基本となる。普段から祭りや防犯活動などに参加し、顔見知りになり、いろいろな知識や技術をもった住民がいることがわかれば、非常時に互いに頼れる

 マンションや地域の防災力を高めることは、マンションの資産価値を高めることにもつながる。

*『災害大国 あすへの備え』は、これをもってシリーズを終わります。

| 2014年10月13日 | カテゴリー 耐震改修等 

【「旧耐震」法改正で改修しやすく】

 

 全国に約601万戸ある分譲マンションのうち、1981年以前に建てられた旧耐震基準のマンションは約106万戸。旧耐震のままでは将来の大地震に耐えられないのか。

 

―バランスに注意―

 

 日本建築防災協会の神田重信・専務理事は『旧耐震がすべて危ないということではないが、構造上のバランスが悪いマンションは耐震診断をした方がいい』と指摘する。

 耐震化には、改修か建て替えかの選択があるが、一般的には改修の方が費用が抑えられる。ただ、改修も壁や柱の補強から制震、免震装置の設置まで様々だ。建物の大きさなどにもよるが、改修には数千万~数億円かかるのが一般的だ。費用に見合った効果が得られるか、住みにくくならないかも考え方針を決めることになる。診断や改修費用の助成をする自治体もあるので、まずは自治体などに相談して、専門家に依頼した方がいい。

 

―過半数の賛成で―

 

 マンションで常に必要になるのが住民の合意づくり。東日本大震災の被災マンションでも、意見がまとまらず、改修や建て替えに手間取った例が目立った。

 大規模な改修工事には4分の3以上の賛成が必要だが、昨年の法改正で耐震性不足と行政から認定されたマンションは過半数の賛成で改修ができるようになった。全員の合意が必要な建物と敷地の一括売却も、今年12月末からは、耐震性不足と認定されれば8割の賛成でできるようになり、選択肢が広がる。

 

(岡管連から)

 岡山の場合、マンションの耐震化に関して、自治体の関心(制度)が薄いようです。

| 2014年10月11日 | カテゴリー 耐震改修等 

【集合住宅 共に守る】

 

 都市部で増え続ける超高層ビルは、東日本大震災で大きな揺れに襲われた。一方、阪神大震災で倒壊が相次いだ旧耐震基準のままの古いビルもいまだに存在する。被害を減らし、被災後の生活を維持するために、どんな準備が必要か。

 

―高層階 動けない揺れ―

―低層階 壁きしむ恐怖―

 

 20階程度にあたる高さ60メートルを超える超高層ビルは全国に約2500棟あり、そのほとんどが東京、大阪、名古屋に集中する。大地震が起きたとき、どのようなことが起きるのか。

 東京理科大の水野正行教授(地震工学)は、関東と関西の24階建て以上のマンション計22棟の住民に東日本大震災時の状況についてアンケートを実施。

 関東の高層階では7割が『揺れにより自分の意志で行動できなかった』『立っていることができなかった』と回答。

 一方、低層では半数以上で壁紙や内装材の亀裂などが見られた。高層ほど大きく揺れていないにもかかわらず、多くの人が音による恐怖感を強く抱いていた。

 高層マンションに欠かせないのはエレベーター。日本エレベーター協会によると、地震の揺れを感知すると最寄り階に自動停止するが、震度4より大きな揺れの場合、故障などがなくても点検を受けるまで復旧できない。数多く停止すれば、復旧まで時間がかかる。階段の上り下りが困難な人が孤立化するおそれがある。

 飲料水(1人1日3リットル)は最低でも3日分、可能なら1週間分の備蓄のほか、ガスコンロや懐中電灯などライフラインの停止に備えた用意を個人でしておくべきだ、と専門家は指摘する。

 

(岡管連より)

 岡山の超高層マンションは、現在、2棟あります。

| 2014年10月09日 | カテゴリー 耐震改修等 

【費用・意識 耐震へ壁】

 

―高額な負担/高齢入居者、消極的―

 

 1981年以前に旧耐震基準で建てられたマンションの耐震化がなかなか進まない。自治体も対策に乗り出しているが、費用負担の大きさや住民合意の難しさが背景にある。時間をかけて改修にこぎつけたケースはわずかだ。

 大阪市東淀川区の新大阪駅近くにある分譲マンションは築40年で11階建て。旧耐震基準で建てられた。約100世帯が入居する。

 正式な耐震診断はしていないが、5年ほど前に1級建築士に相談すると、『間違いなく必要。1億円はかかる』と言われた。

 年1度の住民総会では修繕費を値上げして耐震化すべきだとの意見も出るが、少数派にとどまる。

 役員の男性は、『行政が耐震化を義務化しない限り、現実には先送りになってしまう』という。

 補助制度が始まった95年度からの実績では、耐震診断の補助は100棟に出したが、改修への補助は3棟にとどまる。

 入居者の高齢化も大きな壁だ。名古屋市のNPO法人によると、旧耐震基準のマンションの新築当時の入居者の多くは70歳前後になっている。年金暮らしで数百万円の改修費用を負担するのが難しく、年齢的に将来の居住期間が短いため改修に消極的になりがちだという。代表理事は『耐震化を進めるには、行政の補助率を上げると同時に、居住者の意識改革も欠かせない』と指摘する。

 

| 2014年10月07日 | カテゴリー 耐震改修等 

【集合住宅 耐震改修は1割】

 

―住民合意づくり難題―

 

 政令指定市と県庁所在地、東京23区の74市区で、自治体の助成で耐震診断をしたマンションなど集合住宅約2千棟のうち8割が耐震不足と判断されたが、耐震工事をしたのは1割だったことが分かった。工事負担の大きさや住民合意の難しさが、補強を遅らせているという。

 耐震不足の建物について自治体は所有者に耐震工事を促しているが、診断後の対応を自治体が把握していた1569棟のうち、耐震工事に着工したのは176棟(11%)だった。

 耐震不足51棟のうち工事実施が2棟だった東京都豊島区は『賃貸マンションはオーナーの一存で決まるが、分譲は所有者が多く、住民の合意形成が難しい』とみる。

 日本マンション学会長の小林秀樹・千葉大学教授(住環境計画)は『耐震診断を受け、防災に積極的なマンションでも1割しか耐震改修をしていないのは深刻。自治体は改修助成の拡充や、管理組合の合意づくりへの働きかけに力を入れるべきだ』と指摘する。

 

 *『災害大国 あすへの備え』は、5回シリーズで掲載します。

| 2014年10月05日 | カテゴリー 耐震改修等 

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