管理基礎講座

【名簿作成に向けた検討ポイント】

1 組合員名簿

「組合員名簿」は区分所有者の名簿のことですが、一般には、マンションに居住、非居住の別に拘らず、「組合員名簿」は総会の招集、総会の成立や議決の要件確認、管理組合の役員の選任、管理費等の請求等で常に一覧で管理する必要が生じます。

「組合員名簿は、管理会社が保有しているから、管理組合は持たなくても支障がない」と考えている管理組合もあるようですが、一方で、管理会社の変更を議題とした総会を開催したいのに、管理会社が名簿を出してくれないというような相談も少なくありません。

したがって、管理組合の適正な運営を確保するためには、管理組合の構成員の最新情報を記載した『組合員名簿』を、管理組合が自ら持つことは不可欠であると考えられます。

2 居住者名簿

マンションの管理、特に建物や設備の使用に関し全居住者に関わるものでありますし、緊急時や災害時の必要からすれば、『居住者名簿』は、常に正確な情報に更新していくことが重要です。

また、マンションのコミュニティを育て、緊急時や災害時等での円滑な対応を可能にするためにも、細則を決定する際に、よく議論しておくことも重要です。

3 要援護者名簿

『要援護者名簿』は、災害等の緊急時において、要援護者の生命、身体及び財産を保護することを目的として作成されるものであり、居住者からの申出に基づいて作成されるのが基本です。

管理組合は、要援護者の状況を事前に把握して緊急時に適切な対応が取れるように備えるとともに、緊急時にはこれを活用して必要な援護活動を行うことになります。

また、地域での防災計画の策定等に当たって、地方公共団体や地域の防災関係組織等に対して、名簿情報を提供することが考えられます。

しかし、この場合にも、災害対策基本法第49条の11第2項等の規定を念頭に置けば、本人の同意を取っておくことが必要と考えられます。

| 2015年2月03日 | カテゴリー 管理基礎講座 

【名簿作成・運用の現況】

昨年、国土交通省から公表された「平成25年度マンション総合調査」によると、「組合員名簿及び居住者名簿がある」とする管理組合は78.8%、「組合員名簿のみ」が6.5%、「居住者名簿のみ」が2.2%であり、「いずれもない」とする管理組合は8.4%存在し、管理組合において、これらの名簿が必ずしも十分に整備されているとは言えない状況がうかがわれます。

【管理組合からの名簿に関するご相談】

名簿の内容:区分所有者名簿と居住者名簿との違いや、どこまで記載してもらうのかなど。

個人情報保護法:管理組合が取り扱う名簿との関係など。

名簿の保管:理事長は名簿の管理にどこまで責任を負うのかなど。

届出:規約等で提出義務を定めているが名簿を提出しない人がいるなど。

名簿の閲覧・公開:利害関係人はどの範囲まで及ぶのかなど。

居住者名簿の情報の提供:どこまで提供したらよいのかなど。

管理会社が管理する名簿情報:管理会社が区分所有者名簿を持っているが、管理組合にも必要かなど。

*管理組合において名簿に関する細則の検討を行うに当たっては、これらのことを十分に踏まえることが肝要です。

(岡管連から)

名簿作成・運用に係る名簿作成モデル』の策定に関して、この回を含め3回シリーズでお伝えいたします。

| 2015年2月01日 | カテゴリー 管理基礎講座 

【「大規模修繕瑕疵保険」の仕組みと特徴】

 大規模修繕瑕疵保険は、国土交通大臣から指定を受けた5つの住宅瑕疵担保保険法人(「保険法人」)による「現場検査」と「保証」がセットになった保険です。この保険では大規模修繕工事を請け負った事業者が保険加入者(被保険者)となります。

 工事を実施した保険対象部位に瑕疵(欠陥)が発見された場合、事業者に対して補修費用等が保険金として支払われますので、事業者はこの保険を利用して補修することができます。万が一、事業者が倒産等により瑕疵担保責任を履行できない(補修工事を実施できない)場合は、発注者(管理組合等)に対して、直接保険金が支払われます。

 また、保険の引受に当たっては、工事中に保険法人の検査員(建築士)による現場検査が実施されますので、お住まいの方にも安心感を持っていただける保険と言えます。

 保険対象部位は、保険金支払い対象となる修繕工事が実施された部分及び設備であり、次のとおりとなります。

①構造耐力上主要な部分        5年

②雨水の侵入を防止する部分      5年

③給排水管路             5年

④給排水設備、電気設備、ガス配管設備 5年

⑤防錆工事を行った手すり       2年

【大規模修繕瑕疵保険の申込みには登録が必要】

 大規模修繕瑕疵保険の申込みには保険法人への登録が必要です。

 保険法人に登録されている事業者は、一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページにある「登録事業者等の検索サイト」(注)で公開しています。

 大規模修繕瑕疵保険への加入を希望される場合は、発注先の事業者が検索サイトに登録されているかご確認ください。

 保険法人への登録にあたっては保険法人による事業者の審査があります。

 (注)登録事業者等の検索サイト http://search-kashihoken.jp/

(岡管連から)

 大規模修繕瑕疵保険・助成制度等については、全管連主催による『マンション大規模修繕セミナー』の第1部で講演が予定されています。

 同セミナーは全国12カ所にて開催され、中四国地方では唯一『岡山会場』として、2月14日(土)『ピュアリティまきび』であります。

 詳しいことは、1月7日付の『お知らせ』での『ご案内』をご覧ください。

| 2015年1月19日 | カテゴリー 管理基礎講座 

【 管理組合の対応 】

 では、現在すでに屋上に携帯電話基地局を設置させて賃貸収入を得ているにもかかわらず、税務申告及び納税を行っていない管理組合はどのような対応を取るべきでしょうか。

 すでに収入を得てしまっている以上、納税の義務は発生しています。さらに、法人税の時効は原則5年ですので、過去5年間にさかのぼって申告する必要があります。この時課税されるのは法人税、法人住民税、法人事業税ですが、申告期限を超えての申告となりますので、さらに無申告加算税、延滞税が課税されます。

 また、基準期間(前々事業年度)の賃貸収入の合計が年間1,000万円を超えていれば消費税及び地方消費税の対象になります。

 なお、携帯通信各社は『支払調書』というものを税務当局に提出しています。すなわち、税務当局はどこの管理組合にいくら賃借料が支払われているかということをすべて把握しており、当然その管理組合が税務申告をしているかどうかも調べれば即座にわかる状況にあるということです。

 本来の申告期限(通常は事業年度終了の日から2カ月以内)を超えて申告した場合は、無申告加算税というペナルティが課されます。税務調査を受ける前に自主的に申告すれば納税額の5%が上乗せされるだけで済みますが、税務調査で指摘された場合は納税額50万円までが15%、50万円を超える部分については20%となります。また、納税期限までに納付されない場合には、原則として法律で定められた期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。

 (納税額は)管理組合にとっては非常に大きな支出になりますが、かといって申告をせず税務調査で指摘された場合の理事長はじめ役員の責任の問題といったことも考慮の上で、速やかに申告・納税を行うことをお勧めいたします。

                (著)小川公認会計士事務所 公認会計士 小川 聡

                          (注)下線部はこちら側で記載

(岡管連から)

 携帯電話基地局収入に係る管理組合の税務申告に関し、2回にわたり掲載しました。

 管理組合の税務申告に当たっては、管理組合が管理会社に任せることはできません。税務申告は管理組合自身が行うか、税理士に依頼するしかありません。管理会社が税務申告を行うと、税理士法違反です。

 携帯電話会社がマンションの屋上に基地局を設置する場合、管理組合は、外部の第三者との契約等により賃貸収入を得ることになり、税務申告・納税義務が生じます。

 今注目を浴びていますソーラーシステムによる「太陽光発電」により、電力会社から『売電収入』を得る場合も同様です。

 管理組合が税務申告・納税するにあたって、以下の点を考慮しておかないと、税務当局とトラブルになる恐れもあります。

1 分別管理・区分経理ができているか

 ①非営利事業

  ・管理費会計 ・積立金会計 ・駐車場会計

 ②営利事業

  ・(外部)収益会計

2 予算・事業計画に反映されているか

3 税務申告はだれが行うのか

4 納税資金対策はできているか

5 管理規約等に明記されているか

 マンションの維持管理を行う上で、管理組合が外部の第三者から収入を得る場合、税務の問題は、表裏一体の関係にあります。特に、携帯電話基地局やソーラーシステムなどの設備は、外部からも見て取れ、税務当局も把握しやすいでしょう。

| 2015年1月15日 | カテゴリー 管理基礎講座 

【国税不服審判所の裁決と国税庁Q&Aの公表】

 マンションの共用部分(屋上)の一部を携帯電話基地局等の設置のため携帯電話会社に賃貸して得た収入について、税務当局が、このマンションの管理組合は法人税法第2条第8号に規定する人格のない社団等(『人格なき社団等』)に該当し、当該収入はマンション管理組合の収益事業による収入であるとして、法人税及び無申告加算税を課したことに対し、管理組合側が、この収入はマンションの各区分所有者の不動産収入であって管理組合の収入ではないなどとして、その全部の取消しを求めた審査請求に対し、国税不服審判所は、平成25年10月15日にこの税務当局の処分は適法であるという裁決を下した。

 管理組合側の主張について審判所は、「法人税法上、マンション管理組合は人格なき社団等に該当するため、その構成員から独立した収益の帰属主体として扱われること、賃貸収入が組合員である区分所有者に配分されることもなく、一貫して管理組合の会計に繰り入れられていることから、この賃貸収入は管理組合に帰属する収益である」とした。

 さらに、法人税法上の不動産貸付業とは、不動産を他の者に利用させ対価を得る事業のことをいい、建物の屋上や壁面等不動産の一部を他の者に使用させて対価を得る行為もこれに含まれます。

 このケースで管理組合の行ったマンションの共用部分の賃貸は、営利目的で、建物の一画である塔屋の一部を、区分所有者以外の第三者に賃貸し、継続的に電気通信事業に関する基地局等の設備設置のために使用させて、対価を得るものであると認められるので、不動産貸付業に該当する判断です。

 したがって、税務当局の行った法人税及び無申告加算税の課税は適法であるという結論となった。

 この裁決を受けて、国税庁のホームページの質疑応答事例に『マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定』という項目が追加された。

 これは、同様のケースで税務申告をしていない管理組合に対し税務申告及び納税が必要であることを周知して、自主的な申告・納税を促すものと考えられます。

                (著)小川公認会計士事務所 公認会計士 小川 聡

| 2015年1月13日 | カテゴリー 管理基礎講座 

【積立金1,200万円を横領の容疑】

 新潟東署は平成25年11月7日、管理組合の積立金を横領したとして業務上横領の疑いで高崎市の契約社員(56)を逮捕した。

 逮捕容疑は、理事長を務めていたマンション管理組合の口座から約1,200万円を横領した疑い。同署によると、契約社員は平成17年9月に理事長に就任し、直後に積立金約2,000万円を横領。さらに、平成21年8月には管理組合名義の債権3,200万円分を換金し、既に横領した積立金約2,000万円の穴埋めに使い、約1,200万円を自分の口座に振り込んだ。

 平成23年11月に理事長退任後、後任の理事長が不自然な経理処理に気付いて平成25年7月、同署に告訴した。

 平成17年に横領した約2,000万円は公訴時効が成立している。印鑑と通帳は、容疑者が一人で保管していた。

 

(岡管連から)

 元理事長が管理組合の積立金を横領したことについて、次のことが言えるのではないでしょうか。

1 2,000万円は公訴時効のため、管理組合は回収できない。

2 その結果、その穴埋めは区分所有者全員が負担し、計画修繕に

  大きな影響が出てくる。

3 容疑者が理事長就任から退任までの期間が約6年3か月という

  長期間、理事長をしていた。

4 その間、総会、理事会等が開催されている。その責任は、

  役員、区分所有者にもその一端がある。

5 その責任の一端として

  ・理事長が印鑑と通帳を一人で同時に管理していたが、

   管理規約等では?

  ・会計担当理事、監事等、複数でのチェックは?

  ・総会への実出席は? 委任状が多いか?

  ・居住者のマンションへの関心は?

  ・計画修繕の大幅な見直しや、修繕積立金の増額が迫られる。

 

 元理事長が修繕積立金等を横領した事案は、岡山のマンションでも表には出ていませんが、過去にもこのような事案があったことをお伝えしておきます。

 修繕積立金等の横領は元理事長の問題だけではなく、管理会社の担当者による横領事件も起こっています。

 マンション(建物・設備等)や生活居住環境などの維持管理に必要な修繕積立金等は、区分所有者の負担の上に成り立っています。一人でも多くの区分所有者や居住者が『マンションへの関心の度合いを高める』ことが、このよう横領事件を防げる手立てではないでしょうか

| 2014年12月23日 | カテゴリー 管理基礎講座 

【基地局設置の『収益事業』に追徴課税された例】

 屋上に携帯電話の基地局を設置しているマンション管理組合が地元税務署の指摘を受け、初めて法人税の確定申告を行った。

 基地局を設置したのが過去5年以前からだったが、時効にかからない5年分を申告するよう指示された結果、追徴課税を受けることとなった。

 「基地局の維持管理に必要な経費」と「共通経費」に関わるすべての資料を持ち込み税務署職員の協議指導を受けた。

 基地局の必要経費の総額(経費計上が認められた支出=管理委託費+通信費+共用部分電気料+共用部分損害保険+防犯費用)が約1,700万円。収益割合=基地局収入÷(管理費の総収入+基地局収入)は7,8%だった基地局の維持管理に必要経費は約133万円(約1,700万円×7.8%)と出た。この経費を携帯会社から受けた300万円から引いたのが所得になる。最終的には、この所得に法人税率(18%)を乗じた約29万円が昨年度の法人税になった。

 この法人税にさらに、事業税都道府県税市区町村税が加わる。

 追徴金は、同様に引き出され過去5年の法人税額に「過少申告課税」15%を加えて、結局5年分の納税額は、約180万円に上り、さらに事業税など諸税分約60万円が加算された(計:約240万円)。

| 2014年12月15日 | カテゴリー 管理基礎講座 

【屋上の携帯基地局5千万円の申告漏れ】

―大阪府の管理組合へ国税局追徴課税!-

 朝日新聞(平成26年9月5日)によると、平成23年に埼玉県さいたま市の大宮税務署では、同市内のあるマンションの基地局収入について5年間で約2千万円の申告漏れを指摘。また、数基のアンテナを置いた大阪府の管理組合では、平成24年までの5年間で、約5千万円の追徴課税を受けたとのことです。大阪府の管理組合は、基地局課税の『制度が周知されていない』と不服審判所に処分の取り消しを求めましたが、請求は棄却されました。

 アンテナは、高い位置に設置され目立ちますから、税務調査は比較的に実施しやすいものと考えられます。税務当局は、今までの経験で調査のノウハウを積む上げている模様で、神奈川県や大阪府などでは無申告が相次いで見つかっているとのことです。

 逆に、管理組合の役員は持ち回りで就くことが多く、収益事業を行わない限り課税されませんから、税務には縁遠くなります。アンテナ敷地賃料を全額、管理費会計や積立金会計に繰り入れている管理組合もあります。

 管理組合は税法上『人格なき社団』などに分類されて、原則非課税ですが、基地局収入のほか、駐車場の外部貸し、集会室収入、太陽光発電、自販機収入、電柱敷地貸し収入などが、収益事業となる場合もあります。専門的なことは、税理士に任せるとしても、基本は理解しておきたいものです。

(岡管連から)

 管理組合が法人または人格なき社団であっても、組合員やマンション居住者からの収入は原則非課税ですが、外部との契約取引により得た収益は、みなし法人税が課せられます。またそれに伴い、法人事業税、法人住民税が課税されることにもなります。

 岡山でも無関係ではなく、『基地局収入』や、今はやりの太陽光発電を導入する場合の『売電収入』の税務処理を管理組合としても検討する必要があるでしょう。

 管理組合では、管理費会計、修繕積立金会計、駐車場会計(特に機械式の場合)、収益会計と、区分経理する必要が出てくるでしょう。なぜなら、税務署による税務調査も念頭に入れた会計処理をする必要があるということを。

 また、収益事業による税金も別途資金手当てしておく必要があるでしょう。通常は会計年度終了後、2カ月以内に納税する必要があります。

| 2014年12月13日 | カテゴリー 管理基礎講座 

【管理組合の監事の役割】

 管理組合の監事監査は、マンション標準管理規約第41条に基づき行われます。

 また、その監査対象は、理事の業務執行の状況(業務監査)と財産及び収支の状況(会計監査)であり、理事の業務執行の適法性及び妥当性、並びに、財産及び収支の状況を表す会計報告書の適正性に関する意見を監査報告書に記載して、管理組合の代表者である理事長に提出する一方、総会においても報告することが必要です。

・マンション標準管理規約第41条

 第1項 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に

     報告しなければならない。

 第2項 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認める

     ときは、臨時総会を招集することができる。

 第3項 監事は、理事会に出席して意見を述べることができる。

・マンション標準管理規約第59条

 第1項 理事長は、毎会計年度の収支決算案を監事の会計監査を経て、通常総会に

     報告し、その承認を得なければならない。

【 監査手続き 】

1 業務監査

  業務監査の目的は、理事の行う業務について、法令や規約等に著しく違反してい

 いか、職務執行に関して不正が行われていないかどうかを確かめることにあります。

  このため、主な監査手続きとしては、理事会に出席し、理事会の運営が適正に行わ

 れているかどうかを検討し、疑問点があれば理事に質問する、あるいは欠席した場合

 でも、事後、理事会の議事録や配布資料を閲覧し、決議事項や審議事項に疑問点がな

 いかや意思決定プロセスに不適切な点がないか検討することなどが挙げられます。

2 会計監査

  管理組合の監査手続きとして強制力のある定まったものはありません。

  現代の監査はその監査対象の取引のすべてを確かめる(精査)のではなく、時間的・

 物理的制約の中で、一部の取引を何らかの基準に基づき抽出して確かめる(試査)方法

 を採用しており、不正・誤謬の発生する可能性が高いと見込まれる範囲に重点をおいて

 監査手続きを実施する『リスク・アプローチ』という考え方に基づいています。

  加えて、不正・誤謬のすべてを発見することを目的に行うのではなく、財務諸表の利

 用者の意思決定を誤らせるような重要な不正・誤謬が生じていないかを確かめることを

 目的としています。

 管理組合の監事監査についても、この考え方に基づき、効率よく、かつ重大な不正・

 誤謬を見逃さないよう監査手続きを実施することが肝要と思われます。

                  (著)公認会計士・税理士 吉岡 順子先生

| 2014年11月09日 | カテゴリー 管理基礎講座 

 マンションの使用や管理等を行うに際し、区分所有者等が守るべきことなどに関して、法律等では次のように規定されている。

・区分所有法6条1項

  区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者

 の共同の利益に反する行為をしてはならない

・マンション管理適正化法4条

 1 管理組合は、マンション管理適正化指針の定めるところに留意して、マンションを

  適正に管理するよう努めなければならない。

 2 マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関し、管理組合の一員としての

  役割を適切に果たすよう努めなければならない

・マンションの管理の適正化に関する指針(抜粋)

 『マンションを購入しようとする者は、マンションの管理の重要性を十分認識し、売買

  契約だけでなく、管理規約、使用細則、管理委託契約、長期修繕計画等管理に関する

  事項に十分に留意する必要がある。

 このように分譲マンションが存在するうえで欠かせない建物・設備・敷地などは、区分所有者(購入者)全員の共有物であるのだが、その区分所有者にその認識が薄いため、マンションに関心がない人が多い。

 本来、区分所有者全員の共有物である分譲マンションの管理とは、その管理をするために全員が負担し、共同で管理(共同管理)を行った結果、その恩恵として全員に『共同の利益』をもたらすことが本来の目的である。

 ところが、まったくマンションの管理について『無関心』でいるとどうなるかというと、逆に『共同の不利益』をもたらすことになる。

 岡管連が取り上げている『二つの老い』がまさしくそれであろう。この問題はすぐには表れないが、10年以上経過すると顕著に表われてくる。この二つは、『居住者の高齢化』と、『建物の劣化、設備等の陳腐化・老朽化』の問題である。

 そのマンションの利用者である居住者自身が経年とともに、人間関係が希薄(化)になってくると、『マンション内のコミュニティができない』、『役員の成り手がいない』、『理事会の引継ぎがうまくいかない(任期1年を含む)』など、管理組合(理事会)の運営に支障をきたすだけではなく、ともに住んでいる人の医療・福祉の面などの生活面にも多大な影響を及ぼすことにもつながる。

| 2014年9月27日 | カテゴリー 管理基礎講座 

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