専門家の活用

3 主な内容

(2)留意事項

 (外部専門家による独断専横的行為・利益相反等の防止)

  ① 外部専門家に対する監視・チェック体制

    外部専門家の業務執行状況や収支状況等について、書面による定期的な報告を外部専門家に義務付け

   ておくこと、区分所有者の中から監事を選定しておき、役員に就任した外部専門家の業務執行状況を

   監視すること、法人・団体等から専門家の派遣を受ける場合、業務委託契約において、専門家に対する

   派遣元の法人・団体による内部監査や報告徴収を行うことを義務付けておくこと等が考えられます。

  ② 外部管理者の権限の制限

    理事会の議決権は、管理組合(区分所有者)としての主体性を確保する観点から、管理規約や細則に

   おいて、区分所有者以外の役員が議決権を持たないとする規定を設けることも考えられます。また、

   外部専門家である理事長等による過剰・不要な契約を未然に防止する観点から、管理費会計からの支出

   のみを伴う契約行為であっても、あらかじめ定めた一定金額以上の支出を伴う場合は、理事会や総会の

   承認の必須とするなども考えられます。

  ③ 利益相反取引への対応

    外部専門家が管理組合の利益を犠牲にして自己利益を図るような行為として、例えば、利害関係を

   有する業者に工事等を発注内容に相応しない価格で発注する、発注先からリベートを授受する等の行為

   を行うことも懸念されることから、このような利益相反行為を防止するため、工事等の発注先選定手続

   きの透明性確保、外部専門家と管理組合の利益が相反する取引の理事会報告・承認手続き、管理組合か

   らの報酬以外のリベートや紹介料等の収受禁止などの方策を示しています。契約書例の中では、「理事

   長業務に関連して、紹介手数料、仲介料、その他謝礼、もしくはその他の対価の支払い又は便宜の供与

   その他の利益を、甲の理事会の承認を経ずに、甲以外の者から収受し、又は供与してはならない」と規

   定し、さらにペナルティとしての違約金も課す規定例を示しています。

国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室

| 2017年8月29日 | カテゴリー 専門家の活用 

主な内容

(1)候補者の選任方法

  ① 人選

    外部専門家の人選に当たっては、公募によって候補者を絞り、複数候補者から審査して選定すること

   も可能性としては考えられます。

    しかし、実例も踏まえると、現実的には、相談会や専門家団体等を通じて接点を持った者や、従前

   より顧問契約をを結んでいた者などが候補者としてピックアップされることが通常であると考えられ

   ます。

    まずは、顧問契約やコンサルタント業務等の形の支援を受け、その過程で信頼関係を構築できると

   判断でき、かつ、マンションにおいて理事長就任の必要性が高いと判断された場合に、その外部専門家

   を理事長として活用するための手続きを、その外部専門家の支援を受けながら進めるということです。

  ② 手続き

    プロセスとしては、区分所有者への説明会等で情報共有・意向把握を重ねながら検討し、総会での

   導入推進決議も経て、最終的な総会決議において選任、契約、報酬、関係規定(規約・細則等)を

   正式に決定すること等を示しています。

    規定類としては、規約は標準管理規約と同じ条項があることを前提とし、細則の規定例として、

   選任の際「理事長」「監事」といった役職の割当てまで含めて総会決議する、理事会の議決権は

   ない、一定金額以上の契約行為には理事会承認が必要等といった、通常の役員とは異なる特別な

   ルールを例示しました。

国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室

| 2017年8月27日 | カテゴリー 専門家の活用 

 国土交通省は、平成29年6月16日、「外部専門家の活用ガイドライン」を作成し、同日付で各都道府県及びマンション関係団体に通知しました。

 本ガイドラインは、外部専門家である役員の適正な業務運営を担保するための措置の具体例を示すこととしたものです。

 なお、外部専門家を管理組合の「理事長」や「管理者」として活用する場合(標準管理規約第35条)についてまとめたものであり、外部専門家を顧問、アドバイザー、コンサルタントといった第三者的立場での助言者等として活用する場合(標準管理規約第34条)や、管理事務を管理業者に委託する場合(標準管理規約第33条)については、本ガイドラインの対象ではありません。

 また、現状、実際に外部専門家を役員として選任しているマンションはまだ僅少です。

 本ガイドラインでは、このような現状を踏まえ、まずは住宅政策上の重要な課題となる管理不全になることが懸念されるマンションを一つの典型的なケースとして念頭に置き、一例を示すこととしました。

 例えば、マンションの高齢化等に伴って、日常的に連絡調整等の業務が発生する理事長のなり手に困るようになったが、月例の理事会に出席する一般理事・監事のなり手は引き続きある等のマンションが考えられます。

 さらに、理事会が存在して標準管理規約本文の規定がそのまま活用できる管理方式を前提に、外部専門家個人を管理組合の「理事長」として活用する場合を想定して示しています。

 役員の中で最も権限が大きく課題も多いと考えられる理事長を例にガイドラインを示すことで、一般理事など他の役職の役員に就任する場合についても共通する考え方を示すこととしたものです。

 今後、本ガイドラインの活用状況や実態把握に努め、必要性があれば追加等を検討していきたいと考えています。

国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室

| 2017年8月25日 | カテゴリー 専門家の活用 

自主管理から一部委託への模索

5 老朽化した給水設備の改修工事

  アンケートの回答では、専有部分の漏水事故や水道の赤水などの苦情が寄せられ、早期の改修工事が

 求められていました。

  しかし、組合員の高齢化も相まって、修繕委員だけでこれらを遂行するのは負担が大きく困難な状況

 でした。

  そこで、理事会からの依頼により、本件に関するコンサルティングも行うことになりました。

  この業務内容は、専有部分の給水設備に係る工事費の負担問題と管理規約の改正、設計事務所および

 施工会社の選定手続き(公募資料の作成、見積要項書作成、見積比較一覧表、ヒアリング段取り)、

 その他修繕委員会の支援業務などでした。

  中でも、心配された専有部分の給水設備に係る工事費負担の問題は、以下のとおりスムーズな合意形成

 ができ、大きく前進することができました。

  管理規約では、専有部分の給水設備に係る工事費は組合員が負担する定めとなっています。

  しかし、こうした場合、専有部分の工事が100%実施されるとは限らず、工事未実施が1戸でもあれ

 ば、漏水の危険にさらされます。

  そこで、漏水の心配のない安心な暮らしを確保するため、全戸一斉の改修工事を確実に実行して、今回

 の共用部分および専有部分に係る給水設備の工事費を管理組合が全額負担すること、同工事費を修繕積立

 金から充当できるよう管理規約を改正することを総会に諮ったところ、平成28年の臨時総会において

 原案どおり可決承認されました。

6 自主管理から一部委託への模索

  自主管理を維持するためには、管理運営に関する実務処理能力の高い役員や有用な事務局員が存在する

 こと、組合員が管理組合活動に協力的であることなどの要件が必要になります。

  しかし、組合員の高齢化が進めば、自主管理の継続は困難になってきます。

  今後、輪番制による会計担当理事の交替や、直庸の事務局員が退職した場合には、会計業務や滞納管理

 費等の対処を正確に伝えるか一抹の不安がありました。

  そこで、今般、C組合に対して会計業務についてのみ管理会社へ外部委託することを提案しました。

  これはC組合にとって大きな決断です。

  約半年にかけて理事会の中で協議を行った結果、早々に臨時総会を開催し、本件議案を上程することに

 なりました。

                               (著)マンション管理士 西脇 利一

理事長のひとこと

 築2年目(昭和49年)以降、素人集団での自主運営で管理しておりました。

 マンション管理士の西脇さんにお願いしてから、やっと他のマンションと同じような総会資料を作成できるようになりました。

 これからも、当組合では、西脇さんに引き続き支援をお願いしたいと考えています。

 全国のマンションでも同様な難題をかかえていることもあるかと思いますが、この対応としてマンション管理士を活用されることをお勧めします。

| 2016年12月25日 | カテゴリー 専門家の活用 

自主管理から一部委託への模索

3 滞納管理費等の回収の支援

  管理費等の滞納の中長期化を防止するには、滞納の初期段階で適切な督促等を行うことが重要です。

  C組合では、滞納が10数件に及ぶ一方、回収ルールがなく督促も不十分な状況でした。

  そこで、滞納状況に応じて督促状や支払分割契約書の素案の作成、内容証明郵便の発行手続きなどを支援

 したほか、長期滞納者に対する法的対応に関する助言も行いました。

  これは、訴訟時に必要となる書類の説明と作成のアドバイスとか、口頭弁論への付き添いなどです。

4 改修工事への資金計画と修繕積立金の改定

  理事会では建物の劣化状況を確認するため、設計事務所に依頼して建物調査診断を行ったほか、専有部分

 の給排水管や窓サッシの現況に関するアンケートも実施しました。

  その結果、給排水設備の劣化が激しく、設計事務所からは1年~3年以内の改修が必要との指摘のほか、

 窓サッシの開閉が重い、すきま風が入るとの不具合も報告された。

  これらを元に長期修繕計画を作成し、必要な修繕工事費を試算したところ、修繕積立金が9億円ほど不足

 することが判明しました。

  この対策として、

 ①傷みの激しい箇所の緊急工事と足場が必要な工事を優先する。

 ②金融機関から借入れを行う。

 ③修繕積立金を値上げする。

 といった3つの要素を中心に捉えて資金調達のシミュレーションを行いました。

  この中から、給排水設備改修工事を早期に実施する代わりに、平成28年予定の大規模修繕工事を、対象

 箇所が良好な状態にあるため5年ほど先送りするほか、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォー

 ム融資」の活用を提案しました。

  しかし、必要な資金5億円の借入には、毎月の返済額を月額修繕積立金の80%以内との融資条件のクリ

 アが必要で、このため修繕積立金の値上げが必要なことも説明して、月額料金5千円/戸の値上げ案を提案

 しました。

  本件は、修繕委員会および理事会の協議を経て、長期修繕計画の策定、借入金計画、修繕積立金の改定と

 して議案化され、臨時総会において原案どおりに可決承認されました。

                                (著)マンション管理士 西脇 利一

| 2016年12月23日 | カテゴリー 専門家の活用 

自主管理から一部委託への模索

1 Cマンションでの課題

  C管理組合(以下「C組合」)では分譲以来(築43年目)、組合員でできることは組合員でという方針

 のもと、事務管理業務、清掃業務、設備管理業務等を自ら行ってきました。

  しかし、近年、組合員の高齢化やマンションの高経年化に伴い、役員の成り手不足、滞納管理費等の

 増加、大規模修繕工事の資金調達といった課題に直面しています。

2 適切な会計方式への変更

  C組合の決算報告書は、現金の入出金をもって収支を認識する現金主義に基づき作成されていました。

  現金主義は、計算の簡便性、確実性、安全性等では優れていますが、収支が正しい期間に計上されないと

 いう問題と、滞納した管理費等(未収金)が決算に計上されないという欠点があります。

  これらの問題を改善するためには、現金の入出金に関係なく収入や費用が発生した事実に基づき収支を

 認識する発生主義への変更が必要です。

  そこで、理事会に対し、現金主義から発生主義への変更を提案し、貸借対照表、未収金明細書、未収金

 台帳などを新たに作成するよう支援しました。

  加えて、会計処理細則の制定を提案して、会計業務全般の処理基準を明文化しました。

                               (著)マンション管理士 西脇 利一

(岡管連から)

 現金主義での問題点は、以下の通りです。

(収入の面から)

 各組合員から管理費等が毎月正しく振り込まれ、未納がなければ現金主義でもよいが、管理費等に未納が生じているのであれば、管理費等が振り込まれた時点で記帳している場合(現金主義)

・会計期間の収支を正しく表すことができない。

・予算収入と決算収入とが合うことはない。

・未収金が財務諸表に現れることはない。

・その結果、未納金が振り込まれた場合、ある会計期間によっては、決算収入が予算収入を上回ることが

 起きかねない。

・滞納管理費等を回収する場合、いつの時点の滞納管理費等か判断できない。

・滞納管理費等を回収する場合、滞納管理費等の5年の消滅時効ということが問われ、それを証明する

 必要がある。

(費用の面から)

 費用を現金支出で記帳している場合(現金主義)

・会計期間の収支を正しく表すことができない。

・未払金が財務諸表に現れることはない。

・会計末に未払金があるため、事業計画どおりに事業を実施しているにもかかわらず、翌期に事業を実施

 したことになりかねない。

・翌期の予算を計画するに当たり、当期の未払金を計上する必要がある。

・未払金が不明であれば、事業の執行に当たり、支障をきたすおそれがある。

| 2016年12月21日 | カテゴリー 専門家の活用 

マンションの健全化業務への取組

5 これからの取組

  K組合にはこのように課題はまだまだ残っていますが、再び管理不全に陥らないためにも、差し当たり

 次のことを守っていくことが必要と考えています。

 ・今後も継続して月1回の理事会を必ず開く。

 ・役員の担い手の体制を整え、事務負担の公平性を保つ。

 ・早急に長期修繕計画を作成し、計画的修繕の必要性を組合員に周知する。

 ・管理規約を、現在の標準管理規約等に沿ったものに改正する。

 ・上記のことを組合員の皆さんで検討することにより、管理への参画意識の醸成を図る。

6 おわりに

  管理不全のマンションは、仙台市内にも少なからずあるのではと思われます。

  これらは、多岐にわたる問題が同時進行で顕在化してきますので、組合員だけで解決するには相当の

 困難が伴います。

  問題を一つ一つ解決しながら、適正な管理運営が行われる状態まで持っていくには、やはり、マンシ

 ョン管理士等の専門家の援助が必要になると思います。

  また、自主管理にしろ管理会社に委託するにせよ、組合員各々が「自分の財産は自分で守る」という

 意識を持って行動すれば、必ずうまくいくと思います。

  今回の事例では、管理適正化の支援も道半ばですが、今後も様々な問題も起こることも考えられるし、

 やらなければならないことも山積しています。

  今後もK組合に対して、アドバイザーとしての支援を継続してきたいと考えております。

(岡管連から)

 管理組合(理事会)と管理会社との関係については、以下の点が列挙されるだろう。

 ・役員が毎年変わる組合が多い。

 ・そのため、理事会の運営・引継ぎ等の継続性が難しい。

 ・そのため、役員と管理会社との関係を築きにくい。

 ・そのため、役員の職務等に関し、管理会社にまかせっきりになりやすく、役員の責任感が薄くなり

  やすく、管理への無関心が進みやすい。

 ・そのため、役員の管理への無関心化による管理会社の不正等の温床を生みやすい構造に陥りやすい。

 など

 一方、マンションが置かれている社会状況を鑑みてみますと、マンションに住むということは、『社会

との孤立化』を生みやす状況にあります。さらに、管理への無関心が深まれば、『社会との孤立化』を助長

することにもつながります。

 『社会との孤立化』という点を考えれば、マンションの管理に関しては、『管理組合の自主・自立

につながることにもなるのだが、マンション管理に『専門家等の第三者』が関わっていないところにいろ

いろな問題が潜んでいると考えています。それは、以下の点からです。

 ・マンション管理に関しての様々情報(法令等の改正、社会状況の変化など)の不足

 ・そのため、役員同士で管理等への話題等が欠きやすい。

 ・セキュリティが厳しく、外部からは、マンション内の状況が見えにくい。

 ・そのため、行政等を含めたマンション住民への支援等ができにくい。

 ・そのため、マンション住民の事故(孤立死・孤独死等)の発見が遅れることにつながりやすい。

 ・マンション行政は住宅行政に含まれるが、特に地方においては、マンション行政に重点をおいていない

  ところが多く、地方自治体におけるマンション政策が希薄になっている。

 ・そのためには、マンション住民の声を行政等に届ける必要がある。

                                               以上

| 2016年9月15日 | カテゴリー 専門家の活用 

マンションの健全化業務への取組

4 再生に向けた理事会の活躍

 (修繕工事に向けた準備と課題)

  10月の第3回臨時総会で、修繕積立金及び管理費併せて戸当たり月6,000円程度の値上げと、

 屋上防水工事、共用廊下等の修繕工事の実施、併せて金融機関からの借入れの承認を得ることができ

 ました。

  早速、金融機関に借入れを申し込みましたが、決算書がなく毎月の修繕積立金も少額で積立金残高

 も少ないとの理由で、融資は見送られました。

  そうしたところ、ある理事からの好意による一時金をお借りすることになり、喫緊の屋上防水の応急

 修理工事だけは実施できました。

  このように、共用部分の修繕は資金の問題で進んでいません。特に、機械式駐車場は老朽化が著しく

 修理もできない危険な状態にも拘わらず稼働していましたが、「安全第一」を考えて総会決議で閉鎖

 することとし、K組合の斡旋により近隣に代替え駐車場を借りることになりました。

  今後、機械式駐車場の対応に関する課題も残っております。

 (管理費等滞納者への対応)

  管理費等の長期滞納者が2名いて、調停、訴訟をも視野に督促状を数回送りましたが返答がなく

 困っていましたが、1名については他の債権者から競売に掛けられ、競落者から滞納金と遅延損害金

 を全額回収することができました。

  残りの1名は競売の様子を見ていたのか話し合いに応じ、返済計画書を提出して毎月の管理費等の

 他一定額を支払う合意をしました。

  このように、理事会の方々の一生懸命な姿を見て他の組合員の意識も高まってきたのか、昨年度の

 管理費等の未収金はなく、積立金残高も2年前の30万円程から昨年度決算で600万円程となり、

 財政の健全化に向かいつつあります。

  決算書も2期分を積み重ね修繕積立金収入も安定したので、修繕工事を進めるために再度、金融機関

 に借入れについて話し合っているところです。

                              (著)マンション管理士 山田 健二

(岡管連から)

 今回取り上げられた点として、以下の3点が挙げられるでしょう。

① 決算書がない

  組合員から管理費等を集金したが、決算書がなければ、その使途が全く明らかにならない。

  これで20年間やってこれた自体が問題で、組合員が全く無関心で、放置又は黙認していた「つけ」

 は、組合員全員がその責任と負担を負うことになる。

② 機械式駐車場の維持管理等

  機械式駐車場の交換時期の年数は15年~20年程度と言われ、その維持管理のためのメンテナンス

 ・点検等は3年~5年おきと言われ、そのランニングコストは、管理組合の運営に大きな影を落として

 います。

  また、その収入・支出の面で見ても、ここにも大きな隠れたリスクがあります。

  つまり、機械式駐車場収入は、一般的には管理費収入に組み込まれ、その維持管理費用は、修繕

 積立金から支出されるという不可思議な会計慣習(?)になっています。

③ 管理費等の滞納対策

  管理費等の滞納問題は、最終的には管理組合の問題であり、管理会社との委託契約においては、

 一定の努力規定が設けられているが、あくまでも管理費等の回収は、管理組合の責任と負担で行わ

 なければならない。

| 2016年9月13日 | カテゴリー 専門家の活用 

マンションの健全化業務への取組

3 理事会の立上げ

  そこで、A社任せではない自主的な管理運営を目指すには組合員の連携が必要と、その手始めとして

 理事会の立上げを提案しました。

  4月末頃組合員32名の1/5以上の発起人7名を集め、「役員選任」の総会を、分譲後18年目で

 初めて開き、ここで理事3名と監事1名が選定されました。

  この総会では、組合員の方にとって同じ屋根の下に住む者同士が一堂に会していろいろお話しする機会

 ができ、有意義だったと思われます。

4 再生に向けた理事会の活躍

 (管理運営の再整備)

  5月初旬に第1回の理事会を開き、理事長、副理事長、会計担当理事の役職を決め、最初の仕事として、

 新役員3名と私とでA社の社長と面談しました。

  そこで、通帳・印鑑、図面の返還、過去の決算書類、その他関係書類等を1か月以内に提出するよう

 求めました。

  その後、返還も回答もなく誠意が見られないので、6月上旬に第2回臨時総会を開き、管理委託契約解除

 を決議しました。

  この後、理事会は精力的に活動し、A社に対し契約不履行による管理委託契約解除を通知し、区分所有者

 ・居住者名簿の整備、管理員の採用、火災保険の加入、管理費等収納を扱う銀行の変更、収納代行会社との

 契約、設備会社との保守管理の再契約、会計事務の処理等のすべてを自分たちで行いました。

  理事会では「新たな管理会社へ委託」との意見も出ましたが、今までの反省から、当面は自主管理で頑張

 ろうということになりました。

                                (著)マンション管理士 山田 健二

(岡管連から)

  管理組合の運営は自主・自立が基本であり、運営主体は組合員であり、管理会社ではありません。

 20年を経過した今、この機会を転機とし、各組合員がマンションへの関心を向けていただければ、管理の適正化に1歩ずつ近づくものではないでしょうか。

| 2016年9月11日 | カテゴリー 専門家の活用 

マンションの健全化業務への取組

1 無料相談会で雨漏りの相談

  平成26年3月末に、Kマンション(築20年、32戸)管理組合(以下「K組合」という。)の組合員

 が無料相談会に来て、「雨漏りがひどく、管理会社にお願いしても、何もしてくれない、どうすればよいの

 か」との相談がありました。

  相談会当日は規約等の資料の持参がありませんでしたので、後日資料を見て説明するために訪問すること

 としました。

  数日後、K組合に伺って、集まった7~8名の組合員から話を聞きました。

  販売会社との入居時の覚書で、理事長が選出されるまでは管理会社A社が管理者としていますが、理事長

 が選出されないまま現在に至っていて、入居開始以来、総会が一度も開催されていないとのことでした。

  さらに、決算書も見たことがなく預金残高がどうなっているかも分からない、預金通帳も組合の印鑑もA

 社に預け放し、管理委託契約書も分譲当初のままで更新されていない、理事会も組成されてなく全てA社に

 お任せの状態等で、管理組合が全く機能していない状態でした。

  A社や管理員に不平、不満がありながらも居住者同士の情報交換等もないので、どう対応したらよいか分

 からないとのことでした。

2 A社の概要の調査

  平成13年8月のマンション管理適正化法施行後もA社のようなことがあるのかと思いながら、先ず法務

 局に行き、履歴事項全部証明書を取得してA社の概要を調べ、その足で、国土交通省東北地方整備局のマン

 ションの担当部署に行き、マンション管理業者登録簿を閲覧しました。

  そこには役員の氏名、資本金の額、税引き前当期利益0円、当期純利益0円の記載だけでした。

  閲覧後、担当の方に相談してK組合での事実関係を伝え、今後の対応への協力をお願いしました。

                                (著)マンション管理士 山田 健二

(岡管連から)

 K管理組合の問題点等を、ここで指摘しておきます。

① 管理組合が組織されていないため、総会もできない。

② それゆえ、当然理事会も存在しない。

③ その結果、管理会社に任せっぱなしであった。

④ 築20年の間、そのような運営状態でありながら、組合員誰一人、気付かない、指摘しない、

  いかに無関心であったか。

⑤ その結果、管理会社が運営を主導していた。

⑥ 本来、管理組合が自主・自立であるべきであるところ、組合員から「管理会社にお願いしても、

  何もしてくれない」といい、管理組合が委託者であり、管理会社が受託者であるにもかかわらず、

  本末転倒な発言が出てくる。

⑦ そのつけは管理組合、すなわち組合員一人一人に負担がかかってくる。

⑧ 管理者(理事長)=管理会社は利害関係そのもので、まさしく利益相反取引に該当する。

⑨ この3月改正された標準管理規約に新たに第37条の2(利益相反取引の防止)が追加され

  それによると役員の利益相反取引の防止が図られている。

⑩ その関係から言えば、管理委託契約の更新手続きもこの20年間行われていない。

  など 以上

| 2016年9月09日 | カテゴリー 専門家の活用 

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