二つの老い

【管理組合の現状と課題】

 当管理組合は、居住区分所有者の高齢化が進み、賃貸化率も約50%と高い状況になっています。

 このため、理事等の役員になる人材の不足を招き、特定の方が役員を続けざるを得ないという固定化が続いてきました。

 これまでは、自薦、他薦を基本に役員を選出してきましたが、前回の総会で輪番制を採用してはどうかとの提案も出されました。

 輪番制を採用した場合にどのような問題があるか等について、マンション管理に関する専門家の団体などの情報を参考にしながら、管理運営の機能低下を招かない理事会運営を目指し、今後の課題として検討することにしています。

【2重の老いへの対応】

 建築や設備機器の高経年に伴って劣化が進むと、維持修繕費はこれまで以上に掛かります。

 しかし、居住する区分所有者の高齢化が進むのに伴って、経済的にゆとりがない世帯も増えるため、管理費や維持修繕積立金の値上げができないなど、2重の老いによる様々な問題が発生しています。

 このことから、日常の維持修繕を徹底して長期修繕の費用の抑制を計っています。

 この他、高齢者が安心して暮らせるようにするため、日常の安否確認、緊急連絡先の把握、災害時の救助体制など、マンション単独の町内会と連携した取り組みを目指しています。

                 (一部抜粋)ラポール錦町管理組合(仙台市)前理事長 中居 浩二

(岡管連から)

 岡管連では本年度、『マンションアドバイザー派遣事業』を実施中です。

 詳しいことは、岡管連ホームページにありますバナー(マンションアドバイザー派遣)をご覧ください。

 管理組合様に専門家を派遣し、管理組合様への御支援・ご相談等を行なっています。

| 2015年12月07日 | カテゴリー 二つの老い 

【専門家が改めて思うこと】

 専門家として管理組合に対して、建物・設備の維持管理及び改善、理事会・管理組合の運営と支援を行って参りましたが、あること契機に管理組合と高齢居住者との関係に潜む問題点を改めて知らされました。

 つまり、建物の老朽化と同時に居住者も老いていきますので、生活弱者である高齢者には気を配る問題や悩みを聞き出す必要があることを痛感しました。

 高齢者だけの居住は、防犯面、災害面等で事故のリスクが高く、一度事故が生じればマンション全体へ影響を及ぼすことも考えられ、注意を払う必要があると思います。

 今後ますます居住者の高齢化が進む状況に対して、専門家も成年後見制度の知見等で高齢者を支援できるスキルも身に付け、常日頃から最も身近な相談相手として対応できるようにすることが必要かと思います。

 これから高齢化社会を迎えるにあたり、理事会及び専門家においては、高齢者に対してプライバシー権を尊重しつつも一定の配慮、つまり、その高齢者の生活環境へも気を配り、より細かい支援をしていく必要が今後増えていくのではないかと考えております。

【理事長からの一言】

 今後も管理会社への丸投げではなく、専門家のお力を活用して無駄のない、良好な管理組合運営を行っていきたいと思います。

                             (注1)一部修正、抜粋

                             (注2)下線及び赤字は、こちら側で記載

【岡管連から】

 岡管連がこれからのマンションの大きなテーマとして取り上げています『二つの老い』に加えて、コミュニティー部分において人間関係が希薄化するという面では、マンションに高齢者が増えれば、『限界マンション』に近づいていくリスクがあります。

 また、岡管連では高齢者への支援として、『成年後見制度』、『遺言・相続』などにも取り組んでいますので、『身近なマンション相談窓口』として、岡管連にご相談ください。

| 2015年12月05日 | カテゴリー 二つの老い 

【認 知 症 の 現 状】

 マンション世帯主の年齢構成の70歳以上が占める率が2003年10.2%、2008年13.0%、2013年18.9%(国交省マンション総合調査から)右肩上がりに増えている。

《マンションに住む認知症のトラブル例》

                 ・ 自分の部屋がわからない

                 ・ 突然大声を出して叫ぶ

                 ・ ゴミの分別ができない

                 ・ 電話で管理員に買い物を頼む

                 ・ 遠方にいる身内の連絡先がわかならい

                 ・ 漏水・火災の発生など

                 ・ モノが盗られたと騒ぐ

 分譲マンションでは建物修繕だけでなく、居住者の高齢化や認知症が問題化してきている。

 居住者の高齢化と建物の老朽化が進行しているこれが『二つの老い』問題となっている。

 「マンション総合調査」によると世帯主の高齢化率は年々上がって、2013年度は60歳代以上の割合では全体の半数を超えた。前年に比べて1割ほど上昇、14年前に比べて約2倍になってきている。

 分譲マンションは、『管理組合』を組織し大規模修繕工事や土地建物を維持管理するのが目的だったが、住民同士で高齢者の生活支援に力をそそぐ時代となってきた。

 マンション暮らしは「近所付き合いの煩わしさがなくていい」と言う人もいるが、ある一定の年齢に達したら、ご近所に頼ることも必要だ。頼れるのはやはり、地域力なのかもしれません。

 『独りは気楽でいい』と思われるのは若いうちだけ。日頃から自治会に積極的にかかわるなど、地域とつながる努力が必用な時期が来ていると言われている。

(注)下線は、こちら側で記載。

(岡管連から)

 65歳以上のマンション住民の割合が過半数を超えたマンションを、『限界マンション』と言われています。

 そのようなマンションは、役員のなり手の問題や、区分所有者の医療・福祉の問題などで、管理組合の運営上重大な支障をきたすことにもなりかねません。例えば、総会が成立しなくなったり、管理組合の意思決定ができなくなる恐れがあります。

 今後、マンション特有の問題である『二つの老い』は、マンションにおける重大なテーマとなるでしょう。

| 2015年7月07日 | カテゴリー 二つの老い 

 超高齢化社会で、団地・マンションに、単独世帯、おおくは高齢者の一人暮らしが目立つ。とりわけ高経年団地が集中する首都圏では、単独世帯の急増にどう対処するか、管理組合、自治会は、対応を迫られる。というより、現実に迫られているといっていい。

 横浜市内にある高経年マンションでは、世帯の20%が、一人暮らしで、地域包括センターと連携を取りはじめた。女性の一人暮らしの比率が多いのが特徴という。

 東京都町田市の藤の台団地では、4年前から、住民のボランティアが、高齢者見守り支援ネットワークを組織、20数名のボランティアが、月一度、高齢世帯の訪問活動を始めている。70歳以上の高齢者96名が、登録され、ボランティアの訪問を待っている。その登録者の7~8割が一人暮らしだ。

 当初、訪問時間は5分だけ、元気な姿を確認したら、失礼すると決めていたが、高齢者、とりわけ一人暮らしの高齢者は、ボランティアの訪問を待ち望んでいて、話しかけてくる。1時間以上になることもあるという。

 高齢者、とりわけ一人暮らしの高齢者にとって、こころのよりどころなのかもしれない。熱意を込めて対応するボランティアも、開設以来、辞めた人はほとんどいない。

 単独世帯は、地域から遊離してしまうことが、社会的問題とされるが、藤の台団地の見守り支援ネットワーク活動は、それに歯止めをかける活動のひとつとして定着した。

(岡管連から)

 超高齢化社会におけるマンションの単独世帯は、『孤独死』のリスクをはらんでいます。管理組合と行政機関等との連携が欠かせないのと、マンション住民も他人ごとではすまなくなっています。

 マンション特有の問題である『二つの老い』のひとつであり、『無関心』でいると、いずれ社会問題になると思われまし、マンションの資産価値にも影響してくるでしょう。

| 2015年7月05日 | カテゴリー 二つの老い 

 国土交通省の調査によると、分譲マンションのストック数は約600万戸。そのうち築30年以上のストック数は100万戸以上あり、今後も増加することが予想される。

 さらに住民も高齢化し、『二つの老い』が深刻な問題になっている。そうしたなか、マンションの資産価値を高めるために重要になるのが、『管理の適正化』だ。そこでマンション管理などについて横浜市立大学国際総合科学部教授の齋藤広子さんに聞いた。

【人も建物も高齢化し『二つの老い』が問題に】

 1960年代半ばの第1次マンションブームから50年が過ぎ、築年数の経つマンションが増えてきました。

 また、日本ではマンションでの永住意識が高いので、建物とともに住民も高齢化しがちです。そうしたことから、建物と人の『二つの老い』が大きな問題となっています。

 マンションは築30年を超えると外壁の塗装や屋上の防水の工事にあわせ、設備の交換といった大規模な修繕が必要となり、よりお金が必要になります。

 しかし、年金生活のため費用を負担できないという問題が出てくるのです。さらに高齢化による管理組合のなり手不足も深刻化しています。

 そうならないために必要になるのが、しっかりとした『マンション管理』です。

【マンションが健康に長生きするために必要な六つの力】

① 安心・安全な建物、強い『建物力』

② 生活の場としての安全・安心、強い『コミュニティー力』

③ 災害に備えた『リスクマネジメント力』

④ 運営していく『マネジメント力』

⑤ 地域との連携『地域力』

⑥ 支援体制『支援力』

【岡管連から】

 よく『マンションは管理を買え』と言われることがありますが、新築時から適正な管理ができているマンションは存在しません。

 『マンションの管理は自分たちで作る』ものです。他から与えられるものでもありません。

【セミナー情報】

 本日、午後3時(受付14時30分)から岡山市北区南方のきらめきプラザ(NPO会館)において、以下の内容等でセミナーを開催いたします。

・『自治会長(理事長)殿』・・・理事会運営に関するビデオ上映(約20分)

・『マンションの長寿命化と適正な管理』・・・マンション管理士による講演(30分)

・『県警からのチラシ』・・・岡山県岡山中央警察署生活安全課による説明(約5分程度)

・『参加者とのフリートーキング』・・・意見交換等(約40程度)

*岡管連は、『二つの老い』を念頭に、管理組合への支援等を行っています。

| 2015年5月30日 | カテゴリー 二つの老い 

【『限界マンション』にならないために】

 広島市まちづくり市民交流プラザ北棟6Fマルチメディアスタジアムにおいて、18時から2時間にわたり、講師による『限界マンション』の実情等について講演をいただき、それを基に市民を対象にしたシンポジウムが開催された。

 同スタジアムが立ち見が出るほどの参加者が集まり、市民の関心の深さがうかがわれた。

 若い弁護士をはじめ、元理事長やマンション管理士、建築士等の専門家もパネラーとして参加し、築30年後のマンションを想定した問題提起と対処法等の熱い討論が行われた。DSCF7068

(岡管連から)

 参加してみて、次のように感じられた。

 「外部から専門家等の支援をいただかないと、マンションの『二つの老い』に潜んでいます『5大化現象』に対応できないマンションは、ますます『限界マンション』に近づく恐れがあるのではないか」と。

 仮に『限界マンション』に近づいていくならば、『マンションのスラム化』という社会に取り残された状態になり、再生もできない、売れないマンションという次世代に引き継げないマンションが、社会に悪い影響を及ぼすのではないだろうか。

 ある面マンションは、外から見れば『ブラックボックス』であり、マンションの『見える化』をするための社会的支援が必要ではないかとも感じられた。

 

| 2015年4月27日 | カテゴリー 二つの老い 

【バリアフリー化対策】

 人の高齢化に対処した管理組合の様々な人的支援とともに、高齢になっても自立した活動を行える高齢者に対する物的支援としてのマンション共用部分のバリアフリー化が求められています。

 高齢になっても自分の足で動き回れる人が9割、車いすに頼ることになる人が1割と言われています。

 それぞれのマンションの共用部分の現状と物理的制約からすべての高齢者に対応したバリアフリー化ができないかもしれませんが、バリアフリー化の目標としては車いすによって敷地内から共用部分を通って自宅の玄関までスムーズに自分で移動できるようにするといいでしょう。

 分譲マンションのバリアフリー化の箇所としては、下記が考えられます。

① 公道から敷地内に入り、玄関ポーチ前までのアプローチ通路に段差がある場合は、段差部分に90センチ

 幅のスロープを併設する。

② 玄関ポーチ前からエレベーターホール前までの通路に階段や段差がある場合は、階段や段差部分に90

 センチ幅のスロープを併設する。スロープの設置と併せて手すりの設置を行う。

③ 各階の廊下とエレベーターホールに段差がある場合は、段差部分をスロープ化する。

④ 各階の廊下と階段に手すりを設置する。廊下や階段は、建築基準法によって建築用途規模によって必要な

 幅が決められていますが、壁からの出が10センチ以内の片側だけの手すり設置は、残りの幅が必要幅で

 なくなってもよい緩和規定があります。

  備考:両側に手すりを設置する場合は、手すりと手すりの間で必要幅が確保できるか検討してください。

⑤ エレベーターかご内の手すり設置や車いす対応の操作盤や鏡を設置する。

| 2015年4月25日 | カテゴリー 二つの老い 

【『限界マンション』にならないために】

1 法的な問題

  ・区分所有者が行方不明・相続人が分からない

  ・巨額の滞納金などへの対応

2 管理の問題

  ・役員の成り手がいない

  ・管理組合の運営に関わる諸問題

3 建築の問題

  ・大規模修繕工事・耐震補強

  ・共用部分・専有部分のバリアフリー化

4 設備の問題

  ・給排水管の更生・更新

  ・電気設備・エレベーターの更新

 高経年(築30年以上)マンションでは、建物・設備の老朽化・陳腐化、区分所有者・入居者の高齢化も進行し、空き室・貸室も増大する傾向です。

 適切な処置をせず、放置しておくと管理不全の『限界マンション』に陥ることが報告されていて、この対処方策を弁護士、マンション管理士、1級建築士等が専門的立場から提言します。

日 時:4月24日(金)18時~20時

場 所:広島市まちづくり市民交流プラザ

参加費:無料(予約不要)

主 催:日本マンション学会広島大会実行委員会

後 援:(予定)国土交通省中国地方整備局 広島県 広島市

     NPO法人 広島県マンション管理組合連合会 など

(岡管連から)

 下線部分は、時の経過によりマンションに現れてきます。

 これらを岡管連では、『マンションの5大化現象』と呼んでいます。

 ① 高齢化

 ② 経年劣化

 ③ 老朽(陳腐)化

 ④ 賃貸化

 ⑤ 希薄化

 特に、①+②=『2つの老い』と呼んでいます。

| 2015年4月19日 | カテゴリー 二つの老い 

 【独居老人・認知症の居住者】

 65歳以上の高齢者の方が、平成24年度には総人口の24.1%に当たる3、074万人に達しており、私どもの居住しているマンション内においても身体障害等を伴う老人介護、また最近問題がクローズアップされている孤独死、認知症の対応が課題となり、管理組合としての具体的な取り組みが必要とされてきています。

 それには、管理組合、居住者によるソフト面での対応が重要になります。

一人住まいの老人の方が亡くなったのが3日間わからなかった』、『亡くなった方の相続の問題』などの相談が・・・

 日常的には、マンション居住者の現状把握が基本となり、障害者、独居老人、認知症高齢者等を対象とした居住者による見守り、安否確認のシステム化が考えられます。

 また、管理組合による行政、町内会等との連携、具体的には地区の民生委員、社会福祉協議会、包括支援センターとの日頃からの連携・コミュニケーションが求められます。

 特に、認知症に関しては居住者とのトラブル、徘徊等による問題発生の可能性が大きいだけに、管理組合としての対応を日頃から確認しておく必要があります。

 最近は、認知症高齢者の増大に伴い自治体による認知症サポート制度の充実、成年後見制度の利用の必要性の高まりにより、業界・行政等による成年後見センターが設立される等の動きがあり、今後これらの制度を確認し、管理組合として居住者の高齢化への対応、具体的な取り組みを地域・行政と協力して進めていければと考えます。

【管理組合ですぐに確認等に取り組めること】

  一人暮らしの高齢者

① 新聞・郵便物等がポストに滞留していないか。

② 洗濯物が何日も干しっぱなしになっている、何日も干されてない。

③ 部屋の明かりが夜になっても点灯されない、昼間も点灯されたままである。

  認知症の高齢者

① ゴミ出しの日を間違える。

② 水漏れなどを頻繁に起こす。

③ 何度も同じことを聞いてくる。

④ 警報をよく鳴らしてします。

(岡管連から)

 認知症高齢者の方は、潜在的な方を含め『500万人』と言われています。

 団塊世代全員の方が65歳を迎え、福祉の面を含め、管理組合が取り組まなければならない諸問題が出てくると思われます。

(注)下線部はこちら側で記載。

| 2015年3月07日 | カテゴリー 二つの老い 

【建物の高経年化と人の高齢化】

 日本の分譲マンションストックは、国土交通省の資料によれば、平成24年末時点で約590万戸、居住者数は約1,450万人であり、国民の1割以上が分譲マンションに居住していることになります。

 分譲マンションのうち、老朽化の目安と言われる築30年以上が128.7万戸あり、適切な維持・管理や将来の建替え等に向けた合意形成が求められていいます。

 また、区分所有者の高齢化も進み「国土交通省の平成25年マンション総合調査」によると、世帯主が60歳以上の住戸は、平成25年末で50%に達しています。

 このようにハードとしてのマンションの高齢化と、区分所有者の高齢化という「2つの老い」に直面しているマンションに関連した相談が多く寄せられています。

①建物の老朽化により、排水管等からの水漏れ事故が多発しているどうしたらいいでしょうか?

②大規模修繕工事をしなけらばならないが、修繕積立金が不足、居住者は年金生活で経済的なゆとりがなく

 一時金の徴収が難しい。

③昭和56年以前に確認申請を受けて建設されたマンションですが、耐震診断、耐震改修をどうしたらいい

 でしょうか。

一人暮らしの高齢者の方が亡くなられ空き家になり、相続人がわからない。

⑤認知症、要介護の高齢者の方が見えられます、管理組合としてどのように対応したらいいでしょうか。

⑥高齢化に伴い、管理組合役員の就任を断る方が多くなっている。

(岡管連から)

 『2つの老い』の問題は、ある意味「社会の縮図」を表しているともいえます。

 つまり、道路や橋などの公共物インフラの老朽化と、高齢者の社会福祉の問題が同時進行していて、まさに現在の日本の置かれている状況と変わりがありません。

(注)下線部はこちら側で記載。

| 2015年3月05日 | カテゴリー 二つの老い 

2 / 3123