マンションの再生

熊本地震への対応

 4月30日~5月2日、全国マンション管理組合連合会(全管連)及び日本マンション学会マンション問題研究会が熊本地震の現地視察を行うとともに、地元の熊本県マンション管理組合連合会(熊管連)を訪問し、相談会実施に向けての段取りと打ち合わせを行いました

 5月14日(土)、15日(日)の2日間、熊管連での被災マンション相談会を実施しました。

 熊管連の総力を挙げての告知活動などで、2日間で200管理組合、380人が相談会に参加しました。

 全管連などから26名、マンション問題研究会から弁護士20名、マンション学会から2名など、計54名が相談会に参加しました。

 これら支援体制は、各団体の協力の下、取り組めたことに感謝の意を報告させていただきます。

 熊本地震での被災マンションについては、地元新聞で取り上げられていました。

                  熊管連被災マンション(1) 熊管連被災マンション(2)

熊管連被災マンション(3)

平成28年熊本地震 被災マンションへの支援のお願い

 全管連では、被災したマンション住民、管理組合に対して、すこしでも財政的支援の御協力を皆様方にお願いしたいと思っています。

 詳しいことは、以下の全管連のホームページでご確認ください。

 全管連HP: http://www.zenkanren.org/

| 2016年7月03日 | カテゴリー マンションの再生 

管理業団体572棟調査

 熊本地震で被災した熊本県内の分譲マンションのうち、管理業団体に加盟する9割以上の建物に何らかの被害がでていることが調査で分かった。

 自治体もマンションを再建、補修できるよう、共用部分の被害に対しても罹災証明書を発行して支援している。

 マンション管理業協会が、熊本県内で同協会員が管理する分譲マンション572棟の被災状況を調査。

 6月14日までに回答を得た566棟のうち、527棟で被害が確認された。

 内訳は、建て替えが必要な「大破」が1棟で、大規模補修が必要な「中破」は48棟。

 タイルのはがれ落ちやひび割れなどの「小破」は348棟だった。

 また、外見上ほとんど損傷はないが軽微な被害に遭った建物も130棟報告された。

 震度6強に見舞われた熊本市内では、廊下や玄関ドア、エレベーター、貯水槽といった共用部分の損傷が多発。

 避難所暮らしや引越しを強いられている住民も多い。

 災害救助法に基づく応急修理制度では、住宅が半壊以上の場合、1世帯57万6千円を上限に修理費を支援する。

 国は東日本大震災後の2011年6月、共用部分も住民の財産の一部だとして同法を適用するよう各自治体に通知。

 管理組合が住民分をまとめて申請し、修理に充てることもできる。

| 2016年7月01日 | カテゴリー マンションの再生 

      【 学 術 大 会 】

 4月25日(土)から二日間にわたり広島工業大学五日市キャンパス 三宅の森NEXUS21において、日本マンション学会 主催による学術大会が9時半から開催された。なお、広島大会は、中四国では初めて行われた。

 本大会は、初日の以下の分科会及びメインシンポジウムに参加した。

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1 第2分科会:マンションと地域・行政との連携(マンション住環境まちづくり研究委員会)

   マンションは個々に独立したコミュニティを形成していると同時に、地域社会の中で近隣住民や住民組

  織、あるいは行政といった主体と関わりつつ、より広域で包括的なコミュニティを形成している。

   当マンション住環境まちづくり研究委員会は、「地域社会の中でマンション居住の持続可能性はいかに

  担保されるか」を基本問題意識として、一昨年度は高経年化等による管理不全からの脱却に向けたマンシ

  ョン内部での共助や、行政機関等外部からの支援のあり方について、昨年度はマンションの持続可能性の

  直接的要因となる運営資金の問題について、調査・検討を行った。

   今年度は、地域活動の主体としての管理組合の活動や行政・自治体等との協働の取り組みの現状を明ら

  かにし、地域社会の中での相互連携の必要性について検討を行うこことする。

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  ・マンション管理組合の自己評価について―評価項目とチェックシートの提案―

    谷口 仁宏(株式会社評価基準研究所)

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  ・京都市の高経年マンションの取組み―持続的なコミュニティ運営の機微を探る試み―

    田中 志敬(福井大学)

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  ・管理組合と自治会の関係についての一考察

    祢宜 秀之(マンション管理士)

  ・団地型マンションの継承に向けた住環境改善の取組みに関する一考察

    戸村 達彦(NPO法人 ちば地域再生リサーチ)

  ・マンション問題と指定統計解析の意義

    松本 恭治(地域再生研究所)

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2 メインシンポジウム:人口減少とマンションの未来像

   人口減少に伴う居住者の減少により、不動産のストックに余剰が生じ、住宅の空き家が増加している。

  しかし、この空き家問題を、主として戸建て住宅として念頭に置いている自治体では、分譲マンションに

  は当てはまらない建物の老朽化や居住者の高齢化があいまって『限界マンション』を生み出していると指

  摘されている。

   このような人口減少社会の到来をマンションに引き直して、マンション居住の将来を考える必要が生じ

  ている。しかし、人口減少によってマンションにどのような課題が生じ、どのような対策が必要になるの

  かは、あまり語られていない。このため、本シンポジウムを企画した。

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  ・「人口予測は高経年分譲マンションの着地点を示せるか」

     松本 恭治(前掲)

  ・「コンパクトな街づくりに向けた既存マンションの活用・・・人口減少とマンションの未来像」

     小林 秀樹(千葉大学)

  ・「集まって住むカタチのこれから・・・集住環境のまちづくり」

     江川 直樹(関西大学)

  ・「マンション建替え円滑化法改正」

     石田 俊一(弁護士)

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| 2015年4月29日 | カテゴリー マンションの再生 

【『耐震性不足のマンションに係るマンション敷地売却ガイドライン』】

―国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室―

 南海トラフ巨大地震や首都直下地震等の巨大地震発生の恐れがある中、既存マンションの耐震化の必要性や老朽化マンションの建替えが進んでいない現状等を踏まえ、平成26年の『マンションの建替えの円滑化等に関する法律』(「マンション建替法」)の改正により、新たにマンション敷地売却制度と容積率の緩和特例が創設されました。

 同法に基づき定められた基本方針において、国はマンションの建替え等(「建替え又は売却」)の進め方に関する実務的指針を作成するものとされたことを受け、国土交通省では「耐震性不足のマンションに係るマンション敷地売却ガイドライン」(「ガイドライン」)を作成し、改正法の施行日である平成26年12月24日に公表を行っております(併せて「マンション敷地売却関連書式・支援制度集」も作成・公表)。

 ガイドラインにおいては、耐震性不足のマンションについてマンション敷地売却によりマンションの建替えを行う場合を主に想定して、一般的と考えられる手順(基本プロセス)、事業手法を判断する考え方、合意形成の進め方、法律上の手続き、支援制度の活用などについて、段階に分け、それぞれ説明(コメント)を示す形で整理しています。

【 管理組合内部での準備から検討まで 】

1 有志のよる勉強会の発足、情報の収集、基礎的研究

2 管理組合として改修・建替え等の検討の意思表示

3 再生検討委員会等の設置

4 専門家(コンサルタント等)の選定

5 現状把握、改修・建替え等の総合的な検討

(岡管連から)

 岡山の場合、専門家によると、マンションの建替えは現状、難しい状況にあるといえます。

 これは、大都市と比べて不動産価格が低く、また都市計画法上、一定の高さ制限があるため、マンションを建替える場合、既存の区分所有者の負担が大きいことが挙げられています。

| 2015年4月05日 | カテゴリー マンションの再生 

【日曜社説/建て替えでない選択も】

 マンションに忍び寄る『二つの老い』を、どうすればいいのだろう。住民の高齢化、建物の経年劣化。住民の不安は深く、街づくりに影を落としている。

 このまま放っておけば、事態はもっと悪くなる。打つ手を考えないといけない。

 そこで政府はマンションの建て替えを促している。すでに区分所有者の8割の同意で可能にしたが、さらに容積率を緩和する法律改正案を今国会に提出した。容積率緩和で増えた部分を売却すれば、建て替え費用の一部を賄えて住民の負担が軽くなる。そんな算段だ。

 だが、そううまくいくのか。建て替え費用が一部減るといっても、高齢の住民にとっては、やはり重い負担だろう。建設中の仮住まい費用もかさむ。同意しない住民の生活はどうなるのか。

 一方で住民の高齢化がマンション管理に影響してきている。管理組合が機能せず、修繕積立金を集めなかったり、総会も開かない例もあるそうだ。

 京都市は要支援としたマンションに専門家を派遣し、助言などしてきた。さらに今年度からは専門のNPO法人職員を管理組合の役員として派遣する。

 管理組合への側面支援には期待したい。管理のノウハウだけでなく、住民自治を育てる技術を専門家に求めたい。マンションをできる限り維持し、暮らし続けるために、『急がば回れ』である。

 若者の中から、中古マンションをリフォームして住む動きが出てきた。保育所やNPOの拠点などに活用するのもいい。若い世代が入ることで、古いマンションに活気が生まれてくる。

 私たちの生き生きとした営みから、マンションは再生する。

 

〈 感 想 〉

 この記事を読んで感じたことは、『まちづくり』は『ひとづくり』、マンションの場合は、『マンションのコミュニティづくり』は『ひとづくり』であろう。それが引いては、『マンションの再生づくり』につながるのだろう。

| 2014年7月26日 | カテゴリー マンションの再生 

建て替え まず住民が問題共有(2)

―コンサルと連携、制度を活用―

 

 建て替えは、管理組合にとっては手に余る巨大事業で、コンサルタントとともに進めるのが一般的だ。

 最初に建て替えと修繕・改修を比較検討する。専門家は、「建て替えありきではなく、まずは建物の問題を住民全体で共有することが大切だ」と話す。

 説明会や住民アンケートを重ね、建て替え賛成が多数なら、方向性を固めるために推進決議をするとよい。

 区分所有法に基づく建て替え決議は、手続きの山場だ。成立には区分所有者の5分の4以上の賛成が必要。また、団地で一括建て替えをする場合は、さらに各棟の賛成がいずれも3分の2以上であることも必要だ。反対し続ける住民には催告を経て、所有権の売り渡しを請求できるようになる。

 建て替え決議後、マンション建て替え円滑化法に基づき組合を設立。設計や工事の発注、土地・建物の権利変換などを進める。

 費用負担は大きな壁だ。新しい住戸の取得費用に加え、完成までの仮住まいの家賃もかかる。住戸を増やして売れば、その分負担を軽減できる。

専門家は、「住民が当事者意識を持ち、後ろ向きになりがちな高齢者を支えることが大切。コミュニティーの活性化が欠かせない」と言う。

| 2014年4月29日 | カテゴリー マンションの再生 

建て替え まずは住民が問題共有(1)

―耐震性・費用負担 重ねる議論―

 

 数十戸、数百戸が集まる分譲マンションを建て替えるのは簡単ではありません。それでも改修を続けるより利点があるとして、建て替えを選択するケースがあります。

 千葉県船橋市の分譲マンションは、広い敷地に16棟、計576戸の住宅が並ぶ。日本住宅公団(現UR都市機構)が45年前、1969年に分譲した大規模団地だ。ここで今、建て替えを目指す話し合いが進んでいる。

 2007年、耐震性などを心配する住民が建て替え検討を要望した。2年後、検討のための委員会が設けられ、12年の住民アンケートでは「建て替えをより深く検討してほしい」という意見が多数を占めた。

 14年4月初め、意見交換会が開かれ、参加住民の思いが披露された。「一日も早く建て替えを」という意見の一方、「資金が心配」「完成まで体力が持つかどうか」という声もあった。

 建て替え推進委員会委員長は、「住民の高齢化が進んでいる。建て替えを検討できるのは今しかない」と話す。

・・・(2)に続く

| 2014年4月27日 | カテゴリー マンションの再生