言い値疑う目磨く(1)/毎日新聞2017・12・18

続マンション漂流(中)

 「カタログ価格は20万円ですが、半値でやります」。3年半前、インターホンの取り換えを考えていた大阪府富田林市のマンションの管理組合に、管理会社の担当者が売り込んできた。「半額」に感嘆する役員もいたが、理事長は同調しなかった。「その値段、妥当か」

 当時の理事長は量販店で価格帯を調べ、電気工事店にも見積もりを頼んだ。交渉の末、管理会社の見積額は1戸約9万円に下がった。差額は1万円ほどだが、110戸分とエントランス部の割引なども合わせると205万円の出費が減った。

 言い値を疑うようになったのは約5年前。当時の管理会社は駐車場増設工事で約150万円の見積額を示した。交渉すると、担当者は約40万円減額して見せたが、別業者から見積書をとると約73万円。「見積書には裏がある」と思うようになった。管理組合は毎年、管理会社を変更した。

 今の会社の事務処理は評価できるが、疑わしい見積書を持って来るのは相変わらずだ。設備業者の定期点検で共用廊下の非常灯の一つに不具合が見つかり、電池を交換するとその日に復旧した。地元の電気店で買った電池は約1万3000円。だが、事情を知らない管理会社は翌月、設備業者の報告書を基に非常灯を丸ごと取り換える6万円の工事を提案してきた。「現場も確認しないのか」。見積書は突き返した。

2018年1月11日 | カテゴリー 豆知識