リバース・モーゲージの現状と課題/FPジャーナル2015・4

【はじめに】

 少子高齢化の進行に伴い、老後の生活を支える公的年金制度や給付内容の見直しが続いている。特に「団塊の世代」が65歳になる2015年頃からその動きは加速することが予想されている。

 そのようななか、高齢者の家計をサポートする手段としてリバース・モーゲージが注目されつつある。

【リバース・モーゲージとは】

 リバース・モーゲージ(Reversemortgage)は『持家担保融資』といい、現在住んでいる自宅(土地+建物)を担保に、そこに住み続けながら資金の融資を受け、死後(融資期間終了時)その自宅を売却して元利金の返済に充てることができる制度のことをいう。

 通常の住宅ローンの買入残高が年々減少していくのとは反対に、借入残高が年々増加していく形となるため、リバース・モーゲージ(=逆抵当融資)と呼ばれている。

【リバース・モーゲージの現状】

(1)融資を受ける側

    まず、融資を受ける高齢者側の現状を見てみると、老後に収入が減少するなか、世帯主が65歳以上

   (高齢者)の持ち家率81.0%は、全世帯平均73.9%より高い水準にあり、また、世帯主が65

   歳以上(高齢者)の持つ住宅・宅地評価額は1,000万円超が76%を占めている。

    つまり、豊かな老後生活を実現するためには、保有している自宅を含めた不動産が活用できる環境づ

   くりが急務になっているといえる。

(2)融資する側

    住宅金融支援機構等融資する公的機関や民間金融機関等から見ても、リバース・モーゲージを推進す

   る方向に変わりはない。

    ただし、リバース・モーゲージには様々な課題もあることから、何らかの目的がなければ推進しにく

   い融資であり、公的機関と民間金融機関とではそのスタンスは異なっている。

【リバース・モーゲージの課題】

 融資する側にとって、リバース・モーゲージには「担保割れ」を引き起こす大きな要因が3つあるといわれている。

 「担保割れ」を引き起こす要因とは、

  ①担保を入れた不動産価格が予想より下落して契約終了前に担保割れが生じる『評価下落リスク

  ②借入期間中に金利が上昇して予定よりも早く担保額に達してしまう『金利上昇リスク

  ③利用者が予想より長生きすることで、存命中に担保割れが生じてしまう『長生きリスク』。

 このほか、相続資産をあてにしていた親族等との間でトラブルになることもある。そのため、相続時に担保物件の売却について相続人から意義が出ないようリバース・モーゲージ契約には推定相続人の同意が必要となっている。つまり、推定相続人の同意が得られない場合、リバース・モーゲージを活用できないこともある。

(岡管連から)

 リバース・モーゲージはマンションの場合、基本的には対象にはなっていません。その理由として、リバース・モーゲージは、不動産の売却を前提に考えているためです。

 特にマンションを適正に管理していない場合、マンションの長寿命化・再生化に向けて、大きな障害になっているのではないだろうか。

 一方、年金生活者にとっては、『管理費・修繕積立金・駐車場使用料』という大きな負担となってくることも間違いないでしょう。