計画修繕に向けた資金をチェック(3)/マン管通信2018・3

専有部分に係る工事と長期修繕計画

 排水管も、その材質が鋼管などの場合、腐食や汚損によって取り換えが必要な時期がきます。

 また排水管の場合、専有部分である住戸内の壁の内側に、「パイプスペース」と呼ばれる空間を設け、共用の排水竪管を通している建物が多く見られます。

 壁の中にある排水管を取り換える場合には、専有部分である内装材を解体・復旧する「道連れ工事」が発生します。

 道連れ工事は管理組合負担で行われる場合が多いので、内装工事の範囲(例:洗面所全体を対象とするのか、配管工事に必要な壁の一部分のみとするのか等)や、内装材のグレードによって工事の費用は大きく変わってきますので、検討が必要です。

 また、マンション全体の維持管理面やコスト面から、共用部分の配管設備工事に合わせて、床下にある給水管など個人負担である専有部分内の配管の改修工事も同時に実施することもよく行われています。

 専有部分の維持管理(修繕工事の実施)と費用は区分所有者の責任と負担ですが、このルールを知らずに、そのための「備え」をしてこなかったことから、専有部分の工事が実施できず、下階住戸への漏水事故を生じてしまった事例もあります。

 更新工事が必要な配管材を使用しているマンションでは、築20年目を過ぎてからの長期修繕計画の見直しの際には、大規模修繕工事と同時に行う専有部分の工事の必要性と費用負担について、十分に検討し、全区分所有者への報告と説明が不可欠といえるでしょう。

(著)一般社団法人 マンションリフォーム技術協会 水白 靖之

2018年3月27日 | カテゴリー 大規模修繕