コミュニティがつくるマンションの価値(3)/マン管通信2017・8

マンションの価値はコミュニティで決まる

 永年にわたるマンションの管理運営で養われた豊かなコミュニティを守り育てつつ、良好な住環境を持続的に維持・創生していくことが成熟社会でのあるべき姿です。そのためには、マンションの管理だけにとどまらず、地域のまちづくりにも積極的な役割を果たしていく取り組みも必要でしょう。

 重要無形民俗文化財である京都の祇園祭は千年あまりの伝統をもつ祭事として知られていますが、山鉾町のあるマンション(平成10年築)では、マンション住民も祇園祭を担うようになったことで新旧住民の交流が活発になり、地域と共にコミュニティを育んでいます。いまや、町内の主要行事の参加者はマンション住民が半数以上を占めるようになり、町内にとって欠かせないマンションとなりました。このような地域とのコミュニティを大切にした取り組みがマンション管理の活性化にも波及し、「暮らしの価値」を育む管理活動が活発に展開されています。

 成熟社会におけるマンションの管理とは、お金では換えられない価値を共有し、人々の絆でもって守り育てていく「暮らしのデザイン」と言えます。その持続的な取り組みが管理組合の活動を活発化させ、重要な案件を決定する際の円滑な合意形成にも大きく寄与することになります。

 マンションの資産価値はコミュニティで決まるといっても過言ではないでしょう。

(著)京都工芸繊維大学大学院建築学専攻 教授 鈴木 克彦

2017年9月11日 | カテゴリー コミュニティ