マンション居住者の高齢化に伴う問題を考える(5)/マン管通信2017・12

孤独死への対処

 孤独死(病死又は自殺)は、付き合いがない、家族がいないとかいても疎遠な場合に起き、隣人が、悪臭がしたり蠅が飛び回ったりして気付きます。まず、本人を呼び出してみて、返事がないことを確認してから、警察を呼びましょう。警察を呼ぶ前に、緊急時の合鍵等を使って管理員と理事が立ち入ることは、非常に危険です。なぜなら、ガス漏れの場合は引火爆発の可能もあり、服毒自殺の場合、毒物が室内の空気を汚染していることも考えられるからです。

 警察に処置を任せるわけですが、事件性がなければ遺体の搬出は、警察が専門業者を呼び処理します。その時、管理組合は業者の名刺をもらっておいてください。たまに、廊下やエレベーターに遺体の体液をこぼしてしまうとんでもない業者がいます。この匂いは強烈で、3日間~1週間その階の方や、エレベーター使用者は気分が悪くなり、ホテル住まいをした例があります。

 区分所有者本人が亡くなった場合には、ご遺族に損害を請求(*)しますが、身寄りがないとか、相続放棄されて誰も支払わない場合には、管理組合は、部屋を強制競売にかけてその損害を回収します。もしも、他に区分所有者が存在していて、賃借人とか占有者が孤独死された場合には、その区分所有者が、損害賠償する義務があります。

 夏場、長期間発見されなくて、遺体の体液が下の畳や板張り床を突き抜け、床下のコンクリートまでしみこんでしまっている場合、そのコンクリートをはつらないと匂いが抜けない場合があり、大工事になります。管理組合としては、いつも出かける方が急に見かけなくなるとか、ポストが一杯になる等の異変に気付いたら、空騒ぎになっても良いですから、早めに動きましょう。

(著)横浜マリン法律事務所 弁護士 石川 惠美子

岡管連から

(*)管理組合が遺族に損害賠償を請求する場合、また管理費等を請求する場合、推定相続人の連絡先等を

   把握していないと時間と費用の負担がかかります。

   管理組合としては、日ごろから組合員の緊急連絡先等を把握しておくことが望まれます。

 孤独死の事案が起きると、警察が介入します。マンションの場合、孤独死の部屋の問題だけにとどまらず、そのことはマンション全体に影響がおよび、他の部屋に風評被害をもたらします。

 その結果、マンション全体の資産価値の低下を招き、中古マンションの価値が下がり、売却が難しくなります。

2018年2月01日 | カテゴリー 管理組合の悩み