分譲マンション「漂流」防ぐには(1)/毎日新聞7・19

「業者任せの管理」脱却を

 購入前は価格や業者を慎重に検討したのに、入居後はなんとなく管理会社に任せきりにしてきた。

 その無関心が将来の荒廃を招くだけでなく、既に一部の悪質業者のやりたい放題を許している。昨年11月と今年4月に連載した「マンション漂流」で、こうした実態を報告した。住民の意識を高め、業者ともうまく付き合うために必要なことは何か。改めて考えたい。

 マンションに関心を持ったのは3年前。空き家問題の取材がきっかけだった。危険な空き家の近隣住民や対応に苦慮する自治体の声を記事にした。2014年秋、空き家対策法が成立する。問題解決に一歩近付いた。そう考えた私に、ある専門家が言った。

 「今後はマンションの管理不全が深刻な問題になる」

 外観では荒廃の兆候が捉えづらく、建物が大きいだけに改善費用も膨大になる。現状はどうなのか。現場を歩いた。

 神戸市の住宅街にある築47年の5階建てマンション。住民はいるのに、最上階の廊下には段ボール箱やごみ袋が山積みにされていた。遠方からも持ち込まれたのか、周辺の歩道や車道にも粗大ごみが散乱し、近隣住民は治安や衛生の悪化を心配していた。

 沖縄県浦添市の低層マンションは、荒廃のなれの果てだった。築35年だった8年前に突然。2階の廊下が崩落した。住民や通行人は無事だったが、あわや大惨事になるところだった。倒壊の恐れがあるのに、建物は放置されたまま。部屋の所有者は「撤去費が出せない」と口をそろえた。

2017年8月05日 | カテゴリー 管理組合の悩み