人口減にっぽん 近未来からの警告(下)/朝日新聞朝刊(8・8)

【近未来の姿】

 

 今春、72歳の男性が団地にある住宅で亡くなっているのが見つかった。「異臭がする」と近所の人が気づいたのがきっかけだった。

 団地で民生委員を務める女性(67)は「孤独死を防ぐ手立てはなかったか」と悔やむ。一人で70歳以上のお年寄り約280人を受け持つ。3分の1はひとり暮らしで、見守りの新たな担い手は見あたらない。

 団地の自治会は90年代から、高齢化時代を見据え、車いすの介助や電球の取りかえなど、お互いを支え合う運動を始めた。

 しかし、ある自治会では約30人いた支え手が半減し、70代が占める。若い世代の入会はない。自治会の支え手は「体が動くうちは続けたい」と話す。

 一方の豊洲。5歳以下の乳幼児は約8500人いるが、認可・認証保育施設の定員は3420人しかない。待機児童対策で保育施設の拡充に追われ、高齢者施設の整備は進んでいない。「30年後の絵はまだ描けていない」という。

 人口を吸い込みながら老いていく大都市の「近未来」を高島平団地が映し出している。

(注)下線部はこちら側で記載。

2014年8月12日 | カテゴリー 管理組合の悩み