増える空き家/朝日新聞社説(8・2)

【放置防いで活用探ろう】

 

 子どもの独立、高齢化や人口減と社会の大きな変化も反映した現象で、これからも空き家は増え続けると見込まれる。

 空き家が放置されれば、倒壊したり、放火などの犯罪を招いたりする恐れがある。放置を防ぎながら、新たな使い方に結びつける努力を重ねたい。

 国会議員による立法化も検討されている。市町村が空き家の持ち主を知るために固定資産税の情報を使えるようにすることや、持ち主に対して危険な空き家の撤去を命令できるようにすることが柱だ。

 住宅を解体して更地にすると固定資産税の軽減措置がなくなり、最大6倍の負担が生じてします。これが空き家が増える一因だと指摘する声も多い。空き家対策を総合的に考えるなら、税制面にも工夫する余地はありそうだ。

 困りものに映る空き家だが、一方で活用への動きもある。

 厚生労働省は、低所得高齢者の住まい確保のため、空き家を活用するモデル事業を今年度から始めた。日常生活をNPO法人などが支援することで、孤独死などを懸念する持ち主が「貸してもいい」と思える環境づくりを狙う。国語交通省も、一定の条件の下に建築基準法の政省令を緩和して、空き家をグループホームなどに転用しやすくする方針だ。

 使える空き家は『資源』だ。『使いたいのに使えない』を乗り越える知恵は、いくらでも出し合いたい。