災害大国 あすへの備え(2)/朝日新聞9・22

【費用・意識 耐震へ壁】

 

―高額な負担/高齢入居者、消極的―

 

 1981年以前に旧耐震基準で建てられたマンションの耐震化がなかなか進まない。自治体も対策に乗り出しているが、費用負担の大きさや住民合意の難しさが背景にある。時間をかけて改修にこぎつけたケースはわずかだ。

 大阪市東淀川区の新大阪駅近くにある分譲マンションは築40年で11階建て。旧耐震基準で建てられた。約100世帯が入居する。

 正式な耐震診断はしていないが、5年ほど前に1級建築士に相談すると、『間違いなく必要。1億円はかかる』と言われた。

 年1度の住民総会では修繕費を値上げして耐震化すべきだとの意見も出るが、少数派にとどまる。

 役員の男性は、『行政が耐震化を義務化しない限り、現実には先送りになってしまう』という。

 補助制度が始まった95年度からの実績では、耐震診断の補助は100棟に出したが、改修への補助は3棟にとどまる。

 入居者の高齢化も大きな壁だ。名古屋市のNPO法人によると、旧耐震基準のマンションの新築当時の入居者の多くは70歳前後になっている。年金暮らしで数百万円の改修費用を負担するのが難しく、年齢的に将来の居住期間が短いため改修に消極的になりがちだという。代表理事は『耐震化を進めるには、行政の補助率を上げると同時に、居住者の意識改革も欠かせない』と指摘する。

 

2014年10月07日 | カテゴリー 耐震改修等