ガバナンス不全の防止策を考える(4)/マン管通信2017・4

2 外部の専門家の活用

(3)外部専門家の役員就任に伴う制度の整備

 ④監事による監督機能の強化

   監事は、いつでも理事や管理組合の職員に対して業務の報告を求め、または、業務、財産の状況の調査

  をすることができるようにしなければなりません(標準管理規約41条2項)。さらに、これまで監事は

  理事会への出席は任意とされていましたが、監事による監督機能の強化のために、監事は「理事会に出席

  し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。」(標準管理規約41条4項)と規定す

  ることで、理事会への出席義務を課すとともに、必要があるときは意見を述べなければならない、とすべ

  きでしょう。

 ⑤役員の報酬

   役員報酬については、これまでも標準管理規約に、必要経費の支払いと併せて報酬を受け取ることがで

  きるという規定がありますが(37条2項)、無報酬の場合が多いことが過去の調査で明らかとなってい

  ます。これは、区分所有者の善意によるところが大きかったためと言えますが、報酬を受け取ることによ

  り、責任と求められる成果を負担に感じて役員就任に消極的になるおそれがあるため無報酬としてきたと

  いう側面もあるようです。

   外部専門家が役員に就任する場合、当該役員に対して必要経費とは別に、理事会での協議・意見交換の

  参画等に伴う負担と、実際の業務の困難性や専門的技能・能力等による寄与などを総合的に考慮して、報

  酬を支払うことが必要になってきます。その際、理事会の議事録の閲覧(標準管理規約53条4項)の活

  用等により、役員の業務の状況を適切に認知・確認することが望ましいでしょう。

                           (著)湯川佐原法律事務所 弁護士 佐原 專二

2017年6月09日 | カテゴリー 管理組合運営