第2回 マンション標準管理規約改正の解説(1)/マン管通信2017・1

6 コミュニティ形成活動について

(1)基本的な考え方

   これまではコミュニティ形成活動を管理組合の業務と位置付け、当該業務に要する費用も管理費の支出

  項目として認めていました。しかし、この「コミュニティ形成活動」が具体的に何を示すのか必ずしも明

  らかではなく、任意加入の組織である自治会・町内会活動との関係などからトラブルが生じることもあり

  ました。

   そこで、今回の標準管理規約の改正と併せて改正された「マンションの管理の適正化に関する指針」の

  中で、「コミュニティ形成は、日常的なトラブル防止や防災減災、防犯などの観点から重要なものであり

  」、管理組合はコミュニティ形成に積極的に取り組むことが望ましいとしたうえで、改正標準管理規約で

  その活動につき次のように整理されました。

(2)管理組合の業務として許容されるコミュニティ活動

   今回の改正では、これまでコミュニティ活動としてとらえられていた業務のうち、「例えば、マンショ

  ンやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合

  ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動」は、区分所有法3条の管理組合の目的である「建

  物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲内で行われる限り、管理組合が行うことは可能であるとの

  考え方が示されました。

(3)管理費の使途

   これまでは、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用」は管理費か

  ら支出さることができるとされていました。

   しかし、今回の改正で管理組合が行うコミュニティ活動の範囲が限定されたことに伴い、管理費の使途

  を定めた規定から当該項目が削除され、代わりに上記(2)に掲げた業務に要する費用についてのみ、

  「その他第32条に定める業務に要する費用」として管理費から拠出できるものと整理されました。

(4)自治会等と管理組合との連携

   ただし、加入者がおおむね重なるなかで、1つのマンションで自治会費等と管理費等とを全く別々に徴

  収することは非効率であり、居住者にとって多大な手間となることがあります。そこで、両者を適切に峻

  別し、代行徴収にかかる負担の整理が行われるのであれば、自治会費等の徴収を管理組合が代行すること

  は差し支えないとの考え方が示されたところです。

                           (著)佐藤貴美法律事務所 弁護士 佐藤 貴美

2017年2月07日 | カテゴリー 管理基礎講座