第1回 マンション標準管理規約改正の解説(4)/マン管通信2016・12

4 総会について

(1)議決権割合

   今回の改正では、高層階と低層階での眺望等の違いにより住戸の価値に大きな差が出る場合も想定し

  て、新築物件につき、総会の議決権(および分譲契約等によって定まる敷地等の持分割合)を、専有部

  分の階数(眺望、日照等)、方角(日照等)等を考慮した「価値の違いに基づく価値割合を基礎として、

  議決権の割合を定めることも考えられる」とされました。なお、これは「新築時」の価値の相違に基づ

  くものであって、事後的な変化(例えば、前方に建物が建築されたことによる眺望の変化等)による議

  決権割合の見直しは、「原則として行わない」とされていることにも注意が必要です。

(2)委任状・代理による議決権行使

   総会が管理組合の最高の意思決定機関であることからすれば、組合員本人が自ら出席して、議場での

  説明や議論を踏まえて議案の賛否を直接表示することが本来の姿です。やむを得ずに出席できない場合

  には議決権行使書を優先的に考慮し、それもかなわないときに代理人による議決権行使を検討するとい

  う考え方はこれまでと変わりありません。

   そのうえで、今回の改正ではこれまで定めがなかった代理人の範囲について、代理人は、区分所有者

  としての組合員の意思が総会に適切に反映されるよう、区分所有者の立場から見て利害関係が一致する

  と考えられる者に限定されることが望ましいとし、代理人の資格を次の者に限定する旨の規定が新たに

  設けられました。

  ① 代理人により議決権を行使しようとする組合員の配偶者(婚姻届けを提出していないが事実上婚姻

   関係と同様の事情にある者を含む。)、または一親等の親族(親・子)

  ② 代理人により議決権を行使しようとする組合員の住戸に同居する親族

  ③ 他の組合員

  ④ 代理人により議決権を行使しようとする組合員の法定代理人(成年後見人、財産管理人、区分所有

   者が未成年の場合の親等)

   また、これらに加えて暴力団排除の観点から、「代理人の欠格事由として暴力団員等を規約に定めて

  おくことが考えられる」としています。

                          (著)佐藤貴美法律事務所 弁護士 佐藤 貴美

2017年1月19日 | カテゴリー 管理基礎講座