住宅過剰社会/山陽新聞朝刊4・3

空き家前段階で対応を

 日本は、団塊世代が75歳を迎える(2025年問題)を背景に、団塊世代の実家の相続と団塊ジュニア世代の実家の相続が同時発生する大量相続時代を迎える。

 しかし、子供世代は実家を離れ、すでに自宅を購入しているなど、相続した実家に住むケースは少ない。

 そのため、相続後に実家の売却・賃貸が進まなければ、住宅の立地や大きさにもよるが、空き家化するリスクが高い。

 近い将来、日本は空き家急増という時限爆弾を抱えている。

 総務省の13年の住宅・土地統計調査によれば、65歳以上のみの世帯が住む一戸建て住宅は全国で約720万戸、一戸建ての4戸に1戸が空き家予備軍である。

 その一方で、大都市では埋め立て地、工場跡地を中心にタワーマンションが林立し、大都市郊外や地方都市では農地エリアの宅地開発が野放図に行われ、住宅総数と居住地面積が拡大し続けている。

 著者は、こうした構造的な問題を抱える社会を、拙筆「老いる家 崩れる街」で「住宅過剰社会」と名付けた。

 そのためには、空き家になる「前」の段階での適切な対応が極めて重要である

 相続、税制、建築、不動産流通、住宅政策、都市計画といったさまざまな分野をつなぐ横断的な仕組みづくりと新たな専門人材の育成が急務であろう。

                                   (著)東洋大教授 野澤 千絵

中央公論2017・4より

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岡管連から

 『マンションの10年後を一緒に考えてくれる人はいますか

 マンションも居住用財産であり、社会的インフラの一つであるマンションは、今後社会に与える影響は大きいものと思われます。

2017年4月07日 | カテゴリー 空き家問題