理事会運営に関する相談から/マン管通信2016・7

役員の利益相反行為

Q 役員の成り手がいないことから、ここ数年は同じ理事長が再任を続けています。理事長は、水道工事会社

 A社の取締役をしており、マンションの給排水管の補修工事のほとんどをA社に発注しています。理事長は

 とても人柄がよく組合運営に熱心ですが、工事等の発注を自ら関係するA社に管理規約に基づいて理事会決

 議を経て行っています。このように自分の会社に利益を誘導するような理事長の行為は、良いのでしょうか

A 今年の3月に改正された標準管理規約には、新たに第37条の2が新設され次のように規定された。

  役員は、次の掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けな

 ければならない。

 一 役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき

 二 管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとする

  とき。

 なお、理事長が管理組合と利益相反する場合の事項について、管理組合法人の場合には区分所有法第51条で「管理組合法人と理事との利益が相反する場合事項については、監事が管理組合法人を代表する。」と定めていますが、法人化されていない場合は、新たに管理規約に規定を定めることが必要となります。利益が相反するか否かの判断は、その行為の外形上の利益が相反する可能性があれば足り、現実に不利益を受けることは要件とされていません。

                  (著)(公財)マンション管理センター 管理情報部参与 松本 洋

(岡管連から)

 標準管理規約の改正については、岡管連がこの11月にセミナーを開催する予定です。詳しいことは、10月下旬に公表いたします。

 新たに追加等された条項は、役員の利益相反行為以外として、以下のものなどに対応したルール整備が行われました。

・高齢化等を背景として管理組合の担い手不足

・管理費等滞納による管理不全

・暴力団排除の必要性

・災害時における意思決定ルールの明確化   など

2016年8月05日 | カテゴリー 相談事例から