『滞納管理費保証』の落とし穴(1)/集合住宅管理新聞5・5

【管理放棄につながる危険】

 マンションの管理、運営の基本の一つは、管理費と修繕積立金を確実に集め、日常の必要経費と将来の修繕に支障のないように備えることである。

 しかし、管理費などの滞納に悩む管理組合は多い。特に理事が1年で全員交代する管理組合、管理会社にすべてを任せて管理(『一括委託管理』)に関心の薄い管理組合では、有効な滞納対策もなく、苦慮している。

1 『管理費保証』とは

  そこを狙って、最近、滞納対策として『管理費保証』をうたうシステムが新たに登場、滞納回避のため

 の予防策だと宣伝している。

  このシステムとは、毎月一定額の保証料(管理費等の3.5%程度)を払えば、滞納分をシステムが

 代わって管理組合に支払う。

  したがって、滞納分の集金はシステムが担当するから、管理組合は滞納に対する督促などの業務から

 解放されるというものである。

  このシステムは、賃貸住宅では以前から行われていた『家賃保証会社』のやり方をマンションに取り

 入れたもので、家賃に代わって管理費等を保証するというものである。

  しかし、これには実は重大な落とし穴がある。滞納対策への有効な手段どころか、問題点も多く、

 管理組合運営の一層の障害になりかねない危険を含んでいる。

                               (注)カッコ書きは、こちら側で記載。

(岡管連から)

 この『管理費保証』は家賃保証とは違い、区分所有者全員に及ぶものです。

 毎月の保証料が3.5%とすると、当初から、滞納分を想定してシステム会社に支払うということは、100戸のマンションの場合、実質的に3.5戸分の管理費等が管理組合に入ってこないのと同じです。

 特に、『一括委託管理契約』を管理会社と締結している管理組合の場合、1戸~3戸の滞納管理費等があっても管理組合として、黙認又は放置していて、何も対応を取らないことにも繋がります。

 外から見れば、いわば『管理不全マンション』ということになるでしょう。

 それから、滞納の割合が5%以上になってくると、システム会社も採算が合わなくなってくるので、保証料を上げるか、契約を打ち切るかになってくるでしょう。

 その場合、管理組合として、本来のマンションの維持管理に支障をきたすことになるでしょう。