平成27年のマンション関連判例を概観する(6)/2016・7

不当利得返還請求:最判平成27年9月18日

 本件は、マンションの区分所有者の一人が、同マンションの共用部分を携帯電話基地局として第三者に賃貸して得た賃料収益のうち、自己の共有持分割合相当額の56万8,000円余りの返還を請求しましたが、原審の結論を是認して、上告審である本判決でも、共有部分の管理に関しては、個々の区分所有者が個別に共有持分権に応じた権利行使をすると、他の区分所有者の利害に重大な影響を及ぼすことがあるために団体的規制に服するものとして、規約によって団体行使が規定される場合には、個別行使は認められないとして、上告が棄却されました。

コメント

 本件は区分所有者の団体が、一部の区分所有者が共用部分を第三者に賃貸して得た賃料のうち、各区分所有者の持分割合に相当する部分について生じる不当利得返還請求権を区分所有者の団体のみが行使することができる旨を集会で決議し、または、規約で定めた場合には、各区分所有者は、上記請求権を行使することができない。

 区分所有建物の管理規約に、管理者が共用部分の管理を行い、共用部分を特定の区分所有者に無償で使用されることができる旨の定めがあるときは、この定めは、一部の区分所有者が共用部分を第三者に賃貸して得た賃料のうち、他の区分所有者の持分割合に相当する部分につき生じる不当利得返還請求権を他の区分所有者が行使することができる旨を含むものと解すべきであり、当該他の区分所有者は上記請求権を行使することができない、との解釈が注目されます。

                         (著)創価大学法科大学院教授・弁護士 花房 博文

(岡管連から)

 共有部分に基地局を設置する場合は、その設置は共用部分の変更にあたり、総会での特別決議が必要である。

 その後、基地局設置に伴う管理組合と設置会社との契約を締結することになり、当該賃料は、管理組合に振り込まれることになります。

 当該賃料は、基本的には修繕積立金に積み立てられるのが一般的です。

 なお、管理組合としては、当該賃料は「みなし法人税」に該当するため、その会計処理は、適切に行っておくことが求められます。

2016年8月25日 | カテゴリー 法律のひろば