活躍するマンション管理士(2)/マン管通信2016・11

自主管理から一部委託への模索

3 滞納管理費等の回収の支援

  管理費等の滞納の中長期化を防止するには、滞納の初期段階で適切な督促等を行うことが重要です。

  C組合では、滞納が10数件に及ぶ一方、回収ルールがなく督促も不十分な状況でした。

  そこで、滞納状況に応じて督促状や支払分割契約書の素案の作成、内容証明郵便の発行手続きなどを支援

 したほか、長期滞納者に対する法的対応に関する助言も行いました。

  これは、訴訟時に必要となる書類の説明と作成のアドバイスとか、口頭弁論への付き添いなどです。

4 改修工事への資金計画と修繕積立金の改定

  理事会では建物の劣化状況を確認するため、設計事務所に依頼して建物調査診断を行ったほか、専有部分

 の給排水管や窓サッシの現況に関するアンケートも実施しました。

  その結果、給排水設備の劣化が激しく、設計事務所からは1年~3年以内の改修が必要との指摘のほか、

 窓サッシの開閉が重い、すきま風が入るとの不具合も報告された。

  これらを元に長期修繕計画を作成し、必要な修繕工事費を試算したところ、修繕積立金が9億円ほど不足

 することが判明しました。

  この対策として、

 ①傷みの激しい箇所の緊急工事と足場が必要な工事を優先する。

 ②金融機関から借入れを行う。

 ③修繕積立金を値上げする。

 といった3つの要素を中心に捉えて資金調達のシミュレーションを行いました。

  この中から、給排水設備改修工事を早期に実施する代わりに、平成28年予定の大規模修繕工事を、対象

 箇所が良好な状態にあるため5年ほど先送りするほか、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォー

 ム融資」の活用を提案しました。

  しかし、必要な資金5億円の借入には、毎月の返済額を月額修繕積立金の80%以内との融資条件のクリ

 アが必要で、このため修繕積立金の値上げが必要なことも説明して、月額料金5千円/戸の値上げ案を提案

 しました。

  本件は、修繕委員会および理事会の協議を経て、長期修繕計画の策定、借入金計画、修繕積立金の改定と

 して議案化され、臨時総会において原案どおりに可決承認されました。

                                (著)マンション管理士 西脇 利一

2016年12月23日 | カテゴリー 専門家の活用