活躍するマンション管理士(1)/マン管通信2016・11

自主管理から一部委託への模索

1 Cマンションでの課題

  C管理組合(以下「C組合」)では分譲以来(築43年目)、組合員でできることは組合員でという方針

 のもと、事務管理業務、清掃業務、設備管理業務等を自ら行ってきました。

  しかし、近年、組合員の高齢化やマンションの高経年化に伴い、役員の成り手不足、滞納管理費等の

 増加、大規模修繕工事の資金調達といった課題に直面しています。

2 適切な会計方式への変更

  C組合の決算報告書は、現金の入出金をもって収支を認識する現金主義に基づき作成されていました。

  現金主義は、計算の簡便性、確実性、安全性等では優れていますが、収支が正しい期間に計上されないと

 いう問題と、滞納した管理費等(未収金)が決算に計上されないという欠点があります。

  これらの問題を改善するためには、現金の入出金に関係なく収入や費用が発生した事実に基づき収支を

 認識する発生主義への変更が必要です。

  そこで、理事会に対し、現金主義から発生主義への変更を提案し、貸借対照表、未収金明細書、未収金

 台帳などを新たに作成するよう支援しました。

  加えて、会計処理細則の制定を提案して、会計業務全般の処理基準を明文化しました。

                               (著)マンション管理士 西脇 利一

(岡管連から)

 現金主義での問題点は、以下の通りです。

(収入の面から)

 各組合員から管理費等が毎月正しく振り込まれ、未納がなければ現金主義でもよいが、管理費等に未納が生じているのであれば、管理費等が振り込まれた時点で記帳している場合(現金主義)

・会計期間の収支を正しく表すことができない。

・予算収入と決算収入とが合うことはない。

・未収金が財務諸表に現れることはない。

・その結果、未納金が振り込まれた場合、ある会計期間によっては、決算収入が予算収入を上回ることが

 起きかねない。

・滞納管理費等を回収する場合、いつの時点の滞納管理費等か判断できない。

・滞納管理費等を回収する場合、滞納管理費等の5年の消滅時効ということが問われ、それを証明する

 必要がある。

(費用の面から)

 費用を現金支出で記帳している場合(現金主義)

・会計期間の収支を正しく表すことができない。

・未払金が財務諸表に現れることはない。

・会計末に未払金があるため、事業計画どおりに事業を実施しているにもかかわらず、翌期に事業を実施

 したことになりかねない。

・翌期の予算を計画するに当たり、当期の未払金を計上する必要がある。

・未払金が不明であれば、事業の執行に当たり、支障をきたすおそれがある。

2016年12月21日 | カテゴリー 専門家の活用