免震ゴム偽装/朝日新聞朝刊社説3・25

【安全軽視の姿勢改めよ】

 地震国に暮らす国民への背信行為である。

 東洋工業ゴムが製造した免震装置のゴムに、国土交通大臣の認定基準に満たない性能不足の製品があった。

 免震ゴムは建物の基礎などで使われ、伸縮で地震の揺れを吸収する機能を持つ。その能力が不足していたのに、製品データを偽って販売していた。

 同社はすべての建物の安全をすみやかに再確認し、改修や製品交換を急ぐべきだ。

 財産価値が下がるなどの理由から公表されていない共同住宅などについても、利用者に誠実に伝え、不安にこたえる責任がある。

 同時になぜこんなことが起きたのかを調査し、公表してほしい。

 理解できないのは、子会社で不良品の可能性が浮上した昨年2月以後も1年間、不良製品が出荷され続けたことだ。

 確証を得るのに手間取ったとしても、危機感が薄すぎないか。

 東洋ゴムでは07年にも建築用断熱パネルの試験データ偽装が発覚し、社長が辞任した。

 その際、「2度とこのようなことを起こさない」ため、品質管理を経営の中核にすると発表した。

 にもかかわらず偽装を繰り返すようでは、安全を軽視する姿勢が改まっていない、といわれても仕方ない。