マンション高齢化時代(1)/中日新聞7・12

認知症(上) 発見遅れ、トラブルに

 マンションで認知症とみられる住民のトラブルが顕在化している。徘徊や漏水など周囲の住民の生活に影響を及ぼすだけでなく、管理組合の運営に支障をきたすケースも。高齢化率の高さから、「日本の未来の縮図」といわれるマンションで、本格的に認知症と向き合う時代が迫っている。

 2015年12月、東京都内のマンションで日中、火災報知機が鳴り響いた。警備員が駆けつけると、一人暮らしの70代男性がリビングでごみを燃やしていた。警備員が水をかけ、すぐに消化。「なぜ燃やしたのか?」。後で駆けつけた管理会社の担当者が尋ねると、男性はしっかりした口調で答えた。

 「部屋のごみを燃やして消そうと思った」

 男性は以前から、マンション入り口の集合玄関で他の部屋の呼び鈴を押す姿が防犯カメラで確認されていた。鍵の使い方が分からなくなり、オートロック式の集合玄関を開けるために呼び鈴を押して他の住民に開けてもらうなど、認知症が疑われる行動がみられたという。

 担当者は別居する親族に連絡したが、「関わりたくないと言われた」。担当者によると、認知症の疑いがある住民によるトラブルが最近、増えつつあるという。

 全国マンション管理組合連合会の川上湛永会長(74)は「プライバシーを大事にする人が多いマンションでは認知症の住民がいてもわからない。ただ、最近になって、問題が顕在化してきた」と話す。

 認知症の初期は症状がゆっくり進み、兆候があっても交流が少ないマンションでは周囲も気が付きにくい。集合玄関がオートロックだと民生委員も入れず、徘徊などの行動が現れて初めて表面化する。

 認知症の住民は今後も増えると予想され、マンション業界に不安が広がっている。業界団体のマンション管理業協会は15年、管理会社16社を対象に認知症やその疑いがある住民によるトラブルを初めて調査。「共用部分の廊下を徘徊する」「鍵を開けられない」「トイレに汚物をためて階下に漏水させる」など93件の報告が寄せられた。その多くが、一人暮らしの高齢者だった。

 川上さんは「認知症の住民が増えるのは間違いない。もはや避けて通れない問題だ」と危機感を募らせた。

岡管連から

 マンションは、よく「日本社会の縮図」だといわれています。

 まさにその通りで、高齢化社会において、特にマンション住民の無関心さが「認知症の進行」を助長しているといっても過言ではないでしょう。

 岡管連がテーマとして掲げています『マンションの二つの老い』そのものの一つであります。

2017年8月19日 | カテゴリー 二つの老い