外壁落下事故/福管連2015・6(朝日新聞デジタル、国土交通省HP)

【マンション外壁が落下し隣家を直撃】

 平成27年5月28日正午頃、大阪市西成区でマンションの3~5階部分のコンクリート外壁数十平方メートルが崩れ、隣の2階建て民家の屋根に落下しました。

 民家の屋根瓦が割れて路上に落下しましたが、住民や通行人にけがはありませんでした。

 過去の外壁落下事故では死傷者が出たこともあります。

 平成元年11月に北九州の10階建てのマンションのタイル外壁がはがれ、下を通りかかった通行人にあたり3名が死傷したケースですが、その後も全国各地でマンションやビルの外壁や広告看板等の落下事故が数多く発生しています。

 国土交通省が平成26年12月に公表した「既存建築物における外壁材の落下防止対策に関する調査結果」によると、調査を要求した建築物の数は22,416棟、うち報告があった建築物の数は14,536棟、その中で落下の恐れがあるとされた建築物の数は1,564棟と、報告があった件数の1割以上でした。

 この調査は、都市計画法や地域防災計画上の位置付けなどで限定された建築物を対象としたもので、報告がなかった件数も約35%あり、実際は落下の恐れがある建築物はさらに増えると思われる。

【民法上の損害賠償責任】

 外壁の落下事故による損害を賠償する責任については、民法717条に「土地の工作物(建物など)の占有者及び所有者の責任」の定めがあり、第1次的には建物の占有者となっていますが、分譲マンションの場合、外壁は共用部分なので、建物を占有、所有する管理組合又は区分所有者全員にその責任があります。

 マンションの建物の維持管理は、所有者である管理組合の義務です。マンション毎に建物の劣化状況は異なっていますので、長期修繕計画を精査し、定期的に劣化診断を行い、必要は修理、補修を適切に実施することが重要です。

(岡管連から)

 マンションの外壁落下事故は、マンション住民にとって他人ごとではなく、無関心ではおれません。

 もし、外壁落下事故で、生命及び財産等に重大な影響を及ぼした場合、民法上の損害賠償責任だけではなく、当然刑事上の責任も問われるでしょう。つまり、過失責任として捜査が管理組合に入り、徹底的に調べられるでしょう。

 さらに、この落下事故により、マンション自体の資産価値が低下し、『管理不全マンション』と言うことにもなりかねません。