マンションで相次ぐ幼児のベランダ転落事故。対策は?(中)

【マンションの手すりの基準】

 建築基準法施行令第126条では、『屋上広場又は2階以上の階のあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、柵又は金網を設けなければならない。』と定められています(注)。

 (注)マンションと3階建て以上の戸建て住宅などに適用。

    2階建て以下の一般的な住宅には適用されません。

 つまり、マンションの2階以上の部分のバルコニーには、高さ1.1m以上の手すり又は柵をつけなければならないことになっているのです。しかし、材質や強度などの指定は何もなく、マンション販売業者側で自主的に安全策を取っているのが現状です。ですから、購入者側でしっかり安全性をチェックしておかなければなりません。

 以下、チェック項目を書き出します。

 

1 高さが十分に取れているか(1.1メートル以上)

2 手すりがアルミなどの金属製の竪格子の場合、竪格子どうしの

  間隔が空きすぎていないか

  (子どもの頭が抜けない目安は11センチです)

3 手すりが横格子の場合、子どもが足を掛けて登る恐れがある。

  検討が必要

4 揺すってみてしっかり固定されているかチェック

5 ガラスの手すりの場合は、強度や割れた時の安全性をチェック

6 足がかりはないか

 

【足がかりとは?】

 ところで、『足がかり』とはどんなものを指すのでしょうか? 前回で取り上げた事故事例では、ベランダに置かれた荷物に乗ったり、子ども用のいす(高さ50センチ)に子どもが乗り、手すりを乗り越えて落下してしまいました。この場合、ベランダに置かれた『荷物』や『子ども用のいす』が『足がかり』となります。

 マンションのベランダの手すりが1.1メートル以上あっても、足がかりとなるものがあれば、子どもが落下する危険性は十分にあります。取るべき対策はシンプルです。ベランダから足がかりとなるものをすべて取り除くことです。荷物、イス、テーブル、おもちゃ、植木鉢、プランター、エアコンの室外機、足を掛けられるラティス・・・足がかりとなる可能性のあるものはすべて撤去するか、ベランダの手すりから一定の距離を置いておき、固定させて子どもが動かせないようにしてください。

 次回、最終回は、幼児に必要な手すりの高さを見てみましょう。   *井上 恵子著

 

(岡管連から)

 マンションのベランダの手すりについての安全性は、『新築分譲マンションの売買等の実態』でも取り上げたように、現状の『マンションの青田売り・青田買い』の商慣習において、一般の購入予定者がチェックし、そこまで判断できるであろうか? はなはだ疑問である。

 なぜなら、マンションのモデルルームの展示会において、例えば、その住居部分が高層マンションの10階以上におかれていることが想像でき、かつ、それに対するリスクがあるという認識が、果たして持てるだろうか?

2014年9月05日 | カテゴリー 事故防止