マンション再生/京都新聞(5・11)

【日曜社説/建て替えでない選択も】

 マンションに忍び寄る『二つの老い』を、どうすればいいのだろう。住民の高齢化、建物の経年劣化。住民の不安は深く、街づくりに影を落としている。

 このまま放っておけば、事態はもっと悪くなる。打つ手を考えないといけない。

 そこで政府はマンションの建て替えを促している。すでに区分所有者の8割の同意で可能にしたが、さらに容積率を緩和する法律改正案を今国会に提出した。容積率緩和で増えた部分を売却すれば、建て替え費用の一部を賄えて住民の負担が軽くなる。そんな算段だ。

 だが、そううまくいくのか。建て替え費用が一部減るといっても、高齢の住民にとっては、やはり重い負担だろう。建設中の仮住まい費用もかさむ。同意しない住民の生活はどうなるのか。

 一方で住民の高齢化がマンション管理に影響してきている。管理組合が機能せず、修繕積立金を集めなかったり、総会も開かない例もあるそうだ。

 京都市は要支援としたマンションに専門家を派遣し、助言などしてきた。さらに今年度からは専門のNPO法人職員を管理組合の役員として派遣する。

 管理組合への側面支援には期待したい。管理のノウハウだけでなく、住民自治を育てる技術を専門家に求めたい。マンションをできる限り維持し、暮らし続けるために、『急がば回れ』である。

 若者の中から、中古マンションをリフォームして住む動きが出てきた。保育所やNPOの拠点などに活用するのもいい。若い世代が入ることで、古いマンションに活気が生まれてくる。

 私たちの生き生きとした営みから、マンションは再生する。

 

〈 感 想 〉

 この記事を読んで感じたことは、『まちづくり』は『ひとづくり』、マンションの場合は、『マンションのコミュニティづくり』は『ひとづくり』であろう。それが引いては、『マンションの再生づくり』につながるのだろう。